評価:4/5点![]()
渡名喜島は人は少ないし観光客も来ない島なので今やお昼が食べられる店は2軒しかない。そのうち1軒のふくぎ食堂では毎日朝晩食べているのでお昼は必然的にターミナル食堂ということになる。
その名の通り港のフェリーターミナルの建物にあるので、初日のお昼過ぎに行ってみた。フェリーターミナルの外にあるテーブルでご飯を食べている人たちがいるので、お、これは客が入っているな、と思ったら狭い店内のカウンターは満席。ちょうど食べ終わった客が席を立ってくれたので入ることができた。どうやら目の前の村役場で働く人達や、工事などの仕事で島に来ている人たちのランチスポットとなっているようだ。
メニューはそばやチャンプルーなど普通の沖縄料理が主体だ。島で作っているできたてのゆし豆腐が食べられるのでゆし豆腐定食とそばを、と思ったが、ちょうどご飯がなくなったので定食ができないという。どうしたものか、と店のおばちゃんは困惑しているのだが、おじさんの方がそばしか出せないんだからそばにしてゆし豆腐はサービスする、という提案をしてくれて事無きを得た。どうやらここは日替わりでメインの料理を変えていて、この日はたまたまうな丼だったのでご飯が売れてしまったようだ。
今回沖縄に来て初めて、4年ぶりのそばだ。うまそう。いや、普通のそばなのだが、麺もスープもラフテーもじつにおいしそう。専門店ではなく普通の食堂なので麺はそのへんの製麺所のものだし、ラフテーもスープももしかしたら自家製ではないかもしれない。でも食べてみるとうまい。麺はコシや粘りは普通なのだが、噛むほどにじんわりと味わいがある。スープも化調の嫌味がなくバランスが良い。ラフテーはトロトロ。これだけのそばを出すとはたいしたものだ。紅しょうがが一見多すぎだけどこれはこれでよろしい。スープにコクがあるからか?
じつはこの食堂をやっているのは島の豆腐屋で、だからここでゆし豆腐が食べられるということらしい。鍋でダシと温めただけのゆし豆腐はじんわりと大豆と海の味がする。そりゃそうだ、大豆と海水でできている豆腐なんだから。いずれにしてもこれはうまいぞ。
翌日また行くと、今日はソーキとシブイの煮付け定食があるからそれにしろという。豚の軟骨と冬瓜と昆布をスープで煮たものがどんぶりにたっぷり、それに揚げカマボコと厚揚げの副菜が付く。今日はご飯もある。味は薄めでさっぱり、ちょっと肉に臭みが残っていたが柔らかく煮えていてこれまたうまい。お伴の厚揚げとカマボコもくどいようだがこういう食堂にしては(失礼!)実にちゃんとした素材を使っていて美味だ。lulunが作り方を訊くとソーキはわりと短時間煮てできるものらしい。でもやはり下ごしらえをきちんとやっているようだ。
最終日はこちらも心得ているので「今日は何?」と質問すると「カレーのフライドチキン添え」という答えが。うーむ、それはちょっとなあ、ということでゴーヤチャンプルーとおいしかったそばをもう一度食べることにした。そばはやっぱりうまいし、チャンプルーもおいしい。やっぱり腕は確かだ。おばちゃんがカレーも食べてみてよ、と薦めてくれるのだがさすがに満腹で辞退。本当にうまそうだったからちょっと残念。
こちらがアメリカから来て3日連続食べに行く酔狂な客だったからか、店主夫妻はいつも暖かく迎えてくれたのでとても居心地が良かった。村役場の人や診療所の先生とも出会えて、つまりここのランチタイムは村の井戸端のようなものなのだろうと想像した。夜は夜でまた楽しいに違いない。豆腐屋をやりながら食堂もやっているのだから大忙しだろう。11月には娘さんのいるドイツに行く計画があるそうだが、その間豆腐も食堂もなくて島の人達は困らないのだろうか、とちょっと心配してしまう。次に行けるのがいつになるかわからないが、それまで元気に店を続けてほしいものだ。






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