Ogoh Ogoh

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2019年3月6日は、サカ暦の大晦日でオゴオゴというバリ島の大イベントの日だった。

新月のこの日は悪霊が出てくるので、夕方になると鍋などの金属を叩いて悪霊の嫌う音を出し、家から悪霊を追い出す。そして、鬼のハリボテであるオゴオゴを担いて村を歩く。そのオゴオゴに悪霊が乗り移り、最後は悪霊ともどもオゴオゴを焼いてしまうという儀式だ。

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Ogo Ogo

ところで、バリ人は家から追い出した悪霊にもちゃんとお供えとして食事をあげる。いつものお供えと違うタイプのもので、バナナの葉にちょっとずつ干飯を載せたものなどだ。そのご飯は108つらしい。煩悩の数と同じではないか。関連があるのかどうか知りたいところだ。悪霊をただ単に追い出すだけでなく、ご飯を食べてもらってお引取り願うという姿勢がバリ人らしくてすばらしい。

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Ogo Ogo 作成中2/21

イベントの最大の目玉であるオゴオゴは、だいたい一ヶ月前ぐらいから各所で作り始めていた。町内会ごとに作成するといった感じだろうか。

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Ogo Ogo 作成中2/21

町を通りながら作業の進捗状況をチェックするのが楽しかった。竹を組んでハリボテを作ることのできる人が、大勢いるのかと関心。最初はどこも同じような形のオゴオゴなんだと思っていたけれど、完成が近づくとデザインや大きさも様々と気がつく。足の爪までちゃんと作るのかと驚いたりと初心者には発見が多い。今年からは発泡スチロールの使用が禁止されて作成時時間がかかるようになったという話がネットに流れていた。オゴオゴ作成過程を見る面白みが今年から戻ってきたのか。ただし、発泡スチロールを部分的には使っているところもあるようだったけど、よいのかな。

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Ogo Ogo 作成中3/5 明日までに完成するのか?

進みの遅いところを見かけると、夏休みの宿題の進み具合やテスト勉強の進み具合を心配する親のような心境になってしまう。オゴオゴの作成が進んでくると、我々と同様にバイクで様子を見て回る人などもいて気持ちがどんどん大晦日に向かっているのがわかる。

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Ogo Ogo 完成

今どきはオゴオゴがイベント化してしまって、踊りや演奏も交えたパフォーマンス型イベントになってしまっているらしい。オゴオゴ前の一ヶ月ほど夜な夜な聞こえていた、ガムランや歌はこのための練習だったのかと合点がいった。10年か20年前のオゴオゴの様子を撮ったビデオか何かあったら、見たいものだ。

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Ogo Ogo 完成 愛嬌のある後ろ姿

今年のオゴオゴの日は昼前から生憎の土砂降りになってしまった。夕方に傘をさして様子を見て回ったときに、いつになったら出発するのか訪ねたところ、天気次第だという答えが。時間にとらわれないゆるさがあるのだ。

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Ogo Ogo ラストスパート中

幸い夜になると雨が上がって、大賑わいでイベントが行われたようだ。時間帯はざっくりと夕方から夜中までといった感じだろうか。

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Ogo Ogo の夜

後日町を見ると、焼かれたオゴオゴもあるが、そのまま打ち捨てられているものも多く、悪霊を焼いてしまう習慣は廃れつつあるようだ。

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