サンフランシスコ:Memphis Minnie's BBQ

評価:3/5点3 stars

本当のバーベキューとは薪から煙を出しながら長時間調理するものなのである、ということは職場のBBQマニアから聞かされていた。彼はフランス在住ながらテキサスまでBBQ大会の見学に出かけていくような酔狂な輩なのだ。その話を聞いたとき、ふーん、じゃ薫製みたいなものか、一度どんなものか食べてやろう、と薫製に多少造詣のあるkameは心に決めたのだった。

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7番のバスに揺られてHaightまで。ここら一帯は昔ヒッピーたちが住んでいた地区だそうで、今でも少しその雰囲気が残っている。店名が大物ブルースシンガーというのもそのへんの影響か?店自体は普通のチープなファーストフード屋なのだが、事前情報によるとここのBBQは本物らしい。確かに繁盛していて、店内の席はいつの間にか埋まったし、その間持ち帰りをしていく客も次から次へと入ってくる。

Dscf1319-Small店内の様子。"Don't trust skinny cooks"とは笑わせてくれる。

kameは牛のTexas beef brisket、lulunはSt. Louis style smoked port ribを注文。それぞれに2種類のサイドディッシュが付属するのでpit smoked beans(煮豆)とtart 'n tangy slaw(コールスロー)、フライドポテトにpotlikker greens(青菜の漬け物?)という組み合わせにする。どちらもコーンブレッドのマフィンが付属。

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brisketは16時間も焼くそうで、なるほど表面は黒く、煙の匂いが強烈だ。同じ一盛りの中にも脂の多い部分と少ない部分ではけっこう感じが違う。当然脂が少ない部分はドライな感じに、多い部分はジューシューだがどちらも良い。肉自体の味も良いに違いない。大量に持ち帰りをする客が、angusと書かれた箱に入れて持って帰っていたのでアンガスの肉を使っているらしい。付け合わせの豆はすね肉といっしょに煮込んであってうまい。ちょっと味付けが甘いのが残念。コールスローも甘めだ。

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スペアリブも良い感じに燻されていてこれもうまい。brisketほどスモーキーではないがこれまた肉の味が良い。付け合わせの葉っぱは一種のザワークラウトのような感じで肉の付け合わせにちょうど良いが、これも甘め。フライドポテトはいまいち。

テーブルには3種のソースが用意されていて、これを好みで付けて食べるという仕組みらしい。が、これも全部甘すぎる。肉は何も付けないでそのまま食べるのが一番というのが結論。

これで既にお腹いっぱいだったがデザートにbanana pudinを注文。

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バナナ入りカスタードクリームにホイップクリームを載せたもの。アメリカらしくごっつく甘い。でもしつこさがなく「うーん、甘い」とうなりながらもぺろりと食べてしまった。

以下メニュー。

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店を出る時、大きなオーブンに大きな牛肉の塊が次々と投入されていた。これが客に出されるのは16時間後だと考えるとなかなかすごいものだ。

総括すると肉そのものの味が楽しめ、本場テキサス風BBQというものの良さを認識できるという意味でなかなか良い。付け合わせなどもシンプルかつ良心的という表現がぴったり。しかし、良く言えば質実剛健だが、どうしても「大味」という言葉が頭に浮かぶ。アメリカ的なるものの中では水準は高いのだが、良くも悪くもアメリカ的な範疇を出ていないのだ。