上海:古意

評価:5/5点5 stars

初日は上海料理だったが、辛いもの大好きなlulunとkameなので二日目は湖南料理にあっさり決定。白羽の矢が立ったのは静安寺の古意だった。

古意古意

情報によると6時を回ると混み出すというので5時半ぐらいに到着。空いているがそれなりに客は入っている。

メニューを吟味して、皮蛋拌豆腐(ピータン豆腐)、蒜泥白肉(茹で豚のニンニクソース)、梓元排骨(スペアリブの香草炒め)、油淋麦菜(中国野菜の滑り煮)を注文。ビールは青島とタイガーがあったのでタイガーにすることにした。店員が来て「バドワイザー?」と訊くので「いや、タイガー」と言ったらしつこく「バドワイザー?」「タイガー」。なんでだろ、と思ったらねーちゃんはバドの服を着ていたのでキャンペーンガールらしい。見回すとスーパードライねーちゃんもいて、客が入ってくる度にすーっとテーブルに寄っていく。きっと中国で熾烈なシェア争いが繰り広げられているのだろう。店としてはタダの労働力として歓迎しているに違いない。

スーパードライねーちゃんスーパードライねーちゃん

タイガービールこだわったタイガービール。でも青島の方がうまい。

茹で豚は薄切り肉を重ねて強力にニンニクを効かしてある。うまい。豚そのものの味も、タレの味も良い。

茹で豚のニンニクソース茹で豚のニンニクソース

ピータン豆腐は概ね想像通りだったが、これまた味が良い。絹ごし豆腐の食感が合う。

ピータン豆腐ピータン豆腐

そして本命スペアリブ。よくそのへんでつり下げて売ってるローストしたスペアリブを、クミン主体のスパイスとともに炒めてある。このクミンの香りが意表をついているが実はすごくうまい。ビールが進む。最高だ。

スペアリブの香草炒めスペアリブの香草炒め

メニューの怪しげな日本語によると「中国野菜の滑り煮」となっているが、中国レタスをしゃきっと茹でてタレと和えた物ではないだろうか。kameは基本的にレタスを加熱するのは邪道だと思っているが、これは絶妙な茹で加減で確かにうまい。

中国野菜の滑り煮中国野菜の滑り煮

このあたりでビールを追加。今度は青島。また違うラベルだ。

青島ビール青島ビール

メニューをもらうまで一苦労して、締めに竹筒ご飯とデザートに揚げバナナを選択。ご飯はできないと断られたので揚げバナナだけを注文して待つ。

お茶でも飲むかとポットから注いで口に入れるとふわりと花の香りがする。ふたを開けてみると菊の花らしきものがお湯に浮かんで咲いている。控え目な味で、口がさっぱりするので古意の料理には確かによく合う。

菊茶?菊茶?

テーブルに現れた揚げバナナは量が多いのでびっくり。これまでの皿はどれも中華にしては少なめだったので油断していた。しかも飴のコーティングが分厚く、垂れた飴が皿の上で固まっている。手で食べて小鉢で出てきた水で指先を洗うものらしいがlulunでさえ熱くてとても触れない。でも衣の揚げ具合、飴の絡み具合も良く、中のバナナはとろりと溶けている。今まで食べた上げバナナの中で確実に一番うまい。苦しみながらも完食してしまう。竹筒ご飯がなくて良かった。

揚げバナナ揚げバナナ

全体として古意の料理はスパイシーだが洗練されていて、プロでなければ出せない上品な味だ。多分典型的な湖南料理ではないが、適度な辛さと高い完成度はlulunとkame好み。気に入ったぞ。

満腹になって店を出る頃には入口付近に席が空くのを待っている客があふれていた。隣の店は閑古鳥が鳴いていた。