上海:長寿麺館のザリガニ

評価:3/5点3 stars

それは雲南路の美食街で色々食べてやろうと意気込んで出かけたものの、道路が掘り返されているせいか閑古鳥が鳴いていたので老西門に向かって南下した時だった。右に曲がった通りにザリガニを茹でている店が軒を連ねているのを発見。中でも流行っていたのがこの長寿麺館だった。麺館とはいうものの夏はザリガニ、冬はカニが主体らしい。

長寿麺館長寿麺館。隣もザリガニ屋だが暇そう。

これは是非たべてやろうと翌日のお昼に再訪。混むから少し遅めに行ったつもりだったが外で待っている人がいる。狭い店内は満員で、みんなザリガニをばりばりやっている。

店頭の大鍋でザリガニを茹でているのだが、工程を観察していると、既に茹でてあるザリガニを手前の大鍋で香辛料とともにさらに茹で、奥の大鍋でさらにスパイスとともに茹でているようだ。手前で臭み抜き、奥で味付けをしている模様。この鍋から発せられる匂いが臭いので十分な臭み抜きが必要なのだろう。サフランの匂いがするのでそれで匂い消しをしているのだとlulunの弁。

茹でられるのを待つザリガニ茹でられるのを待つザリガニ
Dscf4044-Small-R二つの大鍋

しばらく待っていると前に並んでいた二人はビニール袋に入ったザリガニを持って帰る。ほう、持ち帰りもするのか、と見ているとけっこう買っていく人たちがいるようだ。ようやく二人分の席が空いたので座る。ビニールのエプロンと手袋を渡され、目の前にざるに入ったザリガニとタレが置かれる。

ザリガニとタレザリガニとタレ

当然ビールを、と思ったらどうも回りの客はペットボトルのお茶などを持ち込んでいるようだ。そうか、と思って近くの酒屋へ走ってビールを買って帰った。あとで判ったが注文もできるらしい。店のおばちゃんがプラスチックのコップを二つ出してくれた。

店内は戦場店内は戦場

ザリガニは小さいので尾の部分しか食べられない。試しにハサミを割ってみたがほんの少ししか身がないので断念。味はまさにエビだが、長時間茹でられているためちょっとパサつき気味だ。臭みは全く無く、スパイスもほんのり香りが付いている程度で意外とあっさりしている。酢醤油ニンニクのタレが良く合う。

隣の若者たちはどんどんザリガニを追加注文している。kameとlulunは二人分だけだが、彼らは見ていた間だけでその4倍は食べていた。店内はほとんど戦場だ。食べていると手袋が破れて手がべとべとになる。店を出てきた客が外で手を洗っていた理由が判った。

一見量が多いが食べられる部分が少ないのであまりお腹に来ない。とりあえず席を立って手を洗い、デザートに胡麻だんごを食べに行った。ザリガニはすごくうまいというほどのものではないが、ビールに良く合うし夏場の体験としては面白い。みんなこの雰囲気も含めて楽しんでいるのだということがわかった。