パリ:Astier

評価:3/5点3 stars

リュプブリーク近くで昼食を、と思って決めてあったレストランに行って外のメニューを見たらどうもピンと来ない。通りの向こう側にあるAstierという店が良さそうなので急遽そちらに入ることにした。

République近くのAstierRépublique近くのAstier

日曜日の昼に開いている店が少ないためかけっこう繁盛している。予約は?と訊いてくるところからするとわりと人気店のようだ。事実奥のテーブルから見ていると、店内の(と外の)テーブルはどんどん埋まった。雰囲気は気軽なのだが店員はぱりっとしてきびきび働いている。一人冗談の好きなやつがいてlulunは遊ばれていた。

AstierのメニューRépublique近くのAstier

お昼のムニュは前菜、メインディッシュ、デザートで25.50ユーロ。メニューに載っている以外にも本日のおすすめが黒板に書いてある。頼んだのは以下の通り。

AstierのVelouté frais de petit pois, émincé de magret fumé et de rais rouges グリーンピースの冷製スープVelouté frais de petit pois, émincé de magret fumé et de rais rouges グリーンピースの冷製スープ

まずlulunはグリーンピースのスープ。気さくなウェイターは「はい、にんじんのスープ」というギャグをlulunや他の客に対して発していた。どろっとしたひんやりのスープにしきしゃきしたラディッキオ、噛むほどに味がする鴨、香り高いオリーブオイルがうまく組合わさっている。

AstierのTerrine de fois gras mi-cuit, cerises confits à la cardamone 半生フォアグラのテリーヌTerrine de fois gras mi-cuit, cerises confits à la cardamone 半生フォアグラのテリーヌ

連日のフォアグラ、今回のは半生ということだが違いはよくわからない。酸味のあるサクランボのソースに粒の塩胡椒がアクセントになる。うまいが昨日の方がもっとうまかった。

Astierのパンパン

パンはわりと普通。

AstierのTronçon de lotte rôti, risotto à la crème d'asperges アンコウのロースト、アスパラガスのリゾットTronçon de lotte rôti, risotto à la crème d'asperges アンコウのロースト、アスパラガスのリゾット

kameのメインディッシュは黒板に出ていたアンコウらしきLotteという魚。淡白だが締った白身で、シンプルなローストだがけっこういける。下にはアスパラのリゾットが敷いてあるがあまりアスパラの味はしない。魚のダシが混ざってなかなかよろしい。

AstierのPoulet pattes noires rôti, jûs au thym et aîl, tartine au foies blands 足黒鶏のローストPoulet pattes noires rôti, jûs au thym et aîl, tartine au foies blands 足黒鶏のロースト

lulunは鶏のロースト。足が黒い鶏というのは市場でも見かけたが、味的にはそんなに違う気はしない。胸部分なのでちょっとパサついているが、一緒に焼いてあるニンニクと合わせるとうまい。付け合わせの小さなジャガイモも味が良い。

AstierのIle flottante イル・フロッタントIle flottante イル・フロッタント

まだパリに来てデザートを食べていなかったのは問題だったので、ここで一つがんばってみた。ウェイターがイル・フロッタントがある、というのでkameはすかさず注文。「浮き島」という名の通り、カスタードクリームにメレンゲが浮いている。我ながらおこちゃまだな。カスタードは甘さ控え目でメレンゲの方はめっぽう甘い。砂糖で固めたナッツがさらに甘いがアクセントになる。

AstierのBaba au rhum traditionnel ババBaba au rhum traditionnel ババ

ババは甘いラムぷんぷんのシロップがたっぷり。昔のlulunだったら到底食べられなかったものだ。添えてあるバタークリームが濃厚で良く合う。うまい。この店の得意の一品だけのことはある。

満腹になってふらふらと店を出た。その時に気がついたのだがFodorsやZagatにも出ているわりと有名な店らしい。そういえば隣のテーブルにいたのは英語のガイドブックを見ていたイタリアの観光客だった。一方で近所の家族の集まりのような客もいたし、旺盛な食欲を見せつけるばあさん二人連れという客もいたので、地元民に愛されているレストランなのは間違いなさそうだ。堅実で普通においしく、外れを心配せずに楽しめる。そんな店だ。


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