西元町:糸桜

評価:5/5点5 stars

紀元が定休日ということもあり、神戸での最後の晩餐に選んだのは最近大のお気に入りの糸桜。水曜日なのでさほど混んではいまい、と読んで当日の夕方に電話したらあっさり6時から入ることができた。ほかの客はまだいない。

糸桜 「黒牛」「梅の宿」「黒牛」「梅の宿」

涼しくなったのでビールという気分ではないし、焼酎の品揃えは麦と芋が一種類ずつと乏しい。メニューに「和風マッコリ」の濁り酒があったのでそれにしようと思ったら在庫切れ。仕方なくこれまた二種類しかない日本酒、「黒牛」「梅の宿」に落ち着いた。意表をついて出てきたのは写真のようなカップ酒。梅の宿はきりりとドライで黒牛は生酒のような口当たり、いずれもわりと良い。もう少し選択の幅を拡げてもらいたいものだ。

ホルモンにも惹かれるが、今回は肉を中心に食べようと決めていたので、7000円の「紅枝垂」セットを選択。目の前で巨大なロースの塊を丁寧に切り分けてくれ、大皿に並べる。

糸桜 「紅枝垂」セット、左上から時計回りにロース、赤身、ハラミ、カルビ、塩タン「紅枝垂」セット、左上から時計回りにロース、赤身、ハラミ、カルビ、塩タン

どれもそれぞれの良さがあり甲乙付けがたいが、個人的にはやっぱりロースかな。とろりとしたサシと肉のバランスが柔らかくジューシーで幸せな気分になる。ほかの肉も全部うまい。さすが糸桜。

大将にナマモノは?と言われ、そりゃそうだ、と選んだのがレバー、センマイ、赤身の刺身三種盛り。

レバー、センマイ、赤身の刺身三種盛り刺身三種盛り

これもどれもうまいけどやっぱりレバーかな。センマイはとてもさっぱりしているし、赤身にはじんわりと旨味がある。薬味はワサビ、ショウガ、ニンニク、ネギ、タマネギ、タレも醤油ダレ、オリーブオイル塩、ゴマ油塩とほとんど無数の組み合わせができるが、どれもそれぞれの良さがある。うまい。

糸桜 ニンニクホルモンご飯ニンニクホルモンご飯

若干お腹に余裕があったので懸案だったニンニクホルモンご飯を注文。見ているとタレに漬け込んだホルモンをフライパンで炒め、別途卵を混ぜたご飯を炒め、最後に合わせて炒めるという作り方をしていた。ニンニクがすごく効いている。わりと濃い味付けのホルモン各種も当然ながら臭みが全くなく、じんわりと味わい深い。量が結構あるのだがぺろりと完食。うまい。

途中カウンターにおっちゃん一人の客が来て黙々と食べて帰った。焼肉を一人で食べにくるのも珍しいが、明らかに狙って食べに来たという雰囲気だ。入口脇のテーブルでは小さな子供を連れた夫婦が来てこれまた色々うまそうなものを注文していた。糸桜の良さを知った人たちが静かに肉を味わいに来るという図式が出来上がっているらしい。好ましいことだと。


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