11日目:コヒマールとハバナ

目が覚めると身体が重い。連日歩き回って、さすがに疲れが出ているようだ。

8時過ぎに起きだしたのに朝食の気配がないのでどうなるかと思ったが、8時半におばちゃんが出勤してきた。今朝は階段の途中の鉄の扉の鍵がかかっていた。やっぱり、早朝にこっそり抜け出せないようだ。

朝食は、昨日食べなかったせいか用意していなかったが、頼むと 15分後にと言われて準備してもらった。ジュースとフルーツ、パン、コーヒー、卵というのがスタンダードのようだ。

朝食後、宿の清算を済ませる(もう一泊するのだけど)。夕食と明日の朝食はパスすることにした。ここの朝食は9時ぐらいにならないと始まらない。遅すぎでしょう。リビングの冷蔵庫にビールや水が有料だが用意されていることを知る。チェックインの時に、食事のことなども含めてちゃんと教えてほしかった。

愚痴はこのくらいにして、今日も晴天。うれしい。

まずは両替。CADECA に日本円のレートが出ていないけど両替できるかどうか聞いてみたら、日本円は銀行でしかできないと教わる。とりあえずユーロを両替。

土曜日のため宿の向かいの工場のようなところは閉っていて静か。街は朝から人がたくさん繰り出して昨日までとは雰囲気が違う。

今日の午前中はハバナから3キロほど東に位置するひなびた漁村 Cojimar(コヒマール)を訪れることにした。コヒマールはヘミングウェイが釣り船(スポーツフィッシングボート)を泊めていたことで有名。

ガイドブックには Capitolio 前で M1 のバスに乗ると Cojimar 方面に行くことができると書いてあるが、M1 なんてバスは通らない。バス停の表示もないが、なんとなくバスが停まったりしているところまで歩いてみる。行き先を見ていると P8 というバスが行きそうなので運転手に「Ciudad Panamericana まで行く?」と確認してから乗車。番号などが変更になったようだ。

バスの中Ciudad Panamericana行きのバス P8

ハバナの街はずっと歩いて回っていたこともあり、普通のキューバ人が乗るバスは初めて。外から眺めていたときと同様満杯に。終点近くなり空いてきたところで写真を撮ってみた。

終点の Ciudad Panamercana (面白みのない新しい町)で降りて、Cojimar 方向に歩いて行く。海に近づくと風が気持ち良い。

ヘミングウェイの行きつけのバー La Terraza には観光バスが次々にやってきては、写真を撮ってのどを潤してはすぐに去っていく。我々は午前中からモヒートを飲みながらのんびり。トイレを使わせてもらうのに小銭がいるのだが持ち合わせの小さいのがなくなってしまい、チェの3ペソ硬貨を使ってしまう(記念に持って帰りたかったのに、残念)。

ヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terrazaヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terraza

ヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terrazaヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terraza

F50Dscf1778-Smallヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terraza のモヒート

ヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terraza前から見た海ヘミングウェイが通ったCojimarのバー、La Terraza前から見た海

港をふらふらお散歩。

F50Dscf1785-Smallヘミングウェイの胸像

この写真のヘミングウェイは優しそうな顔をしているけれど、右下から見ると厳しい顔に見える。この胸像はヘミングウェイの没後に、「老人と海」の作家のために、村の漁師たちが自分の船の部品から取り外した真鍮を溶かして作り、本人が迎えることのなかった63回目の誕生に公開されたものらしい。

砦前の犬砦前の犬

キューバの犬はのんびりしているのが多い。

kame がモヒートに酔ったのか、フィルムの巻き上げを反対方向に回してしまいカメラを壊してしまうというハプニング発生。kame の弁明「今回持ってきた Minolta のはいつも使っている Leica とは巻く方向が反対」。しばらく直そうとしたがうまくいかないので諦めて lulun の Olympus OM-2 SPを貸すことに。lulun は lulun で昨日からシャッタースピードが変だなと思いながら撮影していて、今日になって Auto にしていた露出合わせのダイアルが Manual に動いていたことに気がつく。二人して飲み過ぎか?

Cojimarの村Cojimarの村

Cojimarの野球場でソフトボールCojimarの野球場でソフトボール

土曜日だからか海辺の野球場でソフトボールの試合をやっていた。照明灯がなくなっていて今やナイターができないグラウンド。写真を撮っていたら野球場の向いに住むおばさんが、「2階に上がっておいでよ。こっちのほうが良く撮れるよ」と気さくに声をかけてくれる。

Cojimarのバス停前の市場Cojimarのバス停前の市場

バス停前に市場があり、オレンジのフレッシュジュース屋があったのでバス代の小銭を作るための両替がてらジュースを飲もうと列に並んで待っていたら、途中で売れ切れてしまった。ペットボトルをいくつも持って買いにきていた人たちは、よくあることなのかすんなり諦めて引き揚げて行った。バス代は一人0.40キューバペソなのに20ペソ札しかないので、片付けをしているジュース屋に両替してもらう。帰りのバスも超混み。

ハバナに戻ってランチ。キューバ料理ではないものを食べようとタパス屋へ。大音量の生バンド&フラメンコのステージをやっていたのでちょっと引いたがお腹が空いたのでそのまま入ることに。

食後もしばし街歩き。

人気のチョコレート屋前に並ぶ人々人気のチョコレート屋前に並ぶ人々

昼食を食べた Mesón de la Flota のすぐ側にチョコレート屋があっていつ前を通っても行列ができている。

ドミノ麻雀をする気さくな人々ドミノ麻雀をする気さくな人々

麻雀しているところを写真に撮れと気さくに声をかけてくる。キューバ人は、自分の写真を撮ってくれと声をかけてくることが多い(大人も子供も)。デジカメの画面を見せるととっても喜ぶ。彼らには肖像権という発想はない。ただし、観光客がよく来る通りで葉巻を吸っているおばさんたちがいて、彼らはお金目当てに写真を撮らせているようだ。

電話局前のお店 電話局前のお店

電話局前のスーパーは CUC ではなくキューバペソで買い物ができる。キューバペソがあまり気味だったので地モッチー向けの Bocoy ラム(50キューバペソぐらい)を購入。品揃えはこんなもん。

一旦宿に戻ると、kame は疲れているのか、朝から飲んでいる酒のせいなのか少しうたた寝。休息を取って Museo de Ron で見学の時に試飲した 7年もののダークラムを購入。こちらは海外向けの品質の良いものだ。

7年ものの Havana Club のダークラム & キューバ人用のの白のBocoy7年ものの Havana Club のダークラム & キューバ人用のの白のBocoy

やはり品質の良いものが輸出用・観光客用で、キューバ人に回ってくるのは質の落ちるものだそうだ。米国の税関で見つかったら没収ものの禁制品 (^^;

自転車のある窓自転車のある窓

竪琴型の柵竪琴型の柵、Calle Compostelaの最初の宿の向いにあった

どうやって吊るしたのか街頭に干してある靴どうやって吊るしたのか街頭に干してある靴

駐車場にしては立派な柱、停めてある車も良い駐車場にしては立派な柱、停めてある車も良い

ストリート野球に興じる少年たちストリート野球に興じる少年たち

昨日までは制服の子供たちを見かけていたが、今日は土曜日でお休み。野球の国だね。サッカーをやっているのはあまり見かけなかった。スケートも人気みたい。古いものを修理しながら滑っていた。

繁華街でうつむく犬 繁華街でうつむく犬

走っているところを見てみたい車走っているところを見てみたい車、Mr. Beanが乗りそう

Camara Obscura の所まで行ったが、夕方は逆光なのでパス。営業時間ではあるがやっていないみたいだった。冬至に近いため、天気がよくても光線がすぐになくなてしまい投影できないのかも。

おいしそうな匂いを漂わせているお菓子屋おいしそうな匂いを漂わせているお菓子屋、みんなでかいケーキを持って帰る

写真を拡大すると分かるけど、工房の窓のところにはおばさんが座っている。

F50Dscf1822-Small おいしそうな匂いを漂わせているお菓子屋&職人

ところが、lulun がケーキを撮影しようと近づくと、職人が中からぞろぞろ出てきて写真を撮ってもらいたがる(ケーキの前に立ちはだかって邪魔をする)。そして、例によって気さくに「Linda って中国語でなんて言うの?」などと話しかけてくる。

バーのジュースO'Reillyと確か Compostela の角にあるバーのジュース

オレンジジュースとミックスジュースオレンジジュースとミックスジュース

何度も前を通る O'Reillyと確か Compostela の角にあるバーにジュースがずらっと並んでいるのが気になっていたので飲んでみた。だけど、フレッシュじゃないし、ぼったくりだし大外れ。オレンジジュースとミックスジュース

キューバ人は香りものが好きらしい。町中に何軒か香水屋があってブレンドしてくれたりするらしい。

香水屋でのブレンドのデモ香水屋でのブレンドのデモ

一軒目では、香水のブレンドなんてやってもらったことないし、香り関連のスペイン語は全く分からないので見るだけ。

次に Havana 1791 という店に入ってみた。

香水屋、Havana 1791香水屋、Havana 1791

香水屋、Havana 1791香水屋、Havana 1791

店の奥には立派な空間が。。。

この店のブレンドのサンプルが試験管に15種類ぐらい入っていて、そのなかから好みのものを選ぶシステムになっていた(頼めばオーダーメードもやってくれるらしいが)。

香水屋、Havana 1791香水屋、Havana 1791

香りが決まれば、瓶のサイズを選んでいれてもらう。第一候補の香りは品切れだったので、第二候補の香り(ジャスミン)を選択。瓶は一番小さなサイズにした。香りものって、いいお値段するものだし、観光客から外貨を巻き上げるために高いかと思いきや、とっても安かった。キャンドルやポプリなども売っている。

香水屋、Havana 1791で買ったもの香水屋、Havana 1791で買ったもの

国立劇場裏の人だかり国立劇場裏の人だかり

かき氷 Granizado を食べながら前方をふと見ると、国立劇場の裏手にある広場に人だかりが。何かの集会かと思って野次馬根性を出して見に行くと、女の子たちが並んで歩いていて劇場の裏口に入って行く。その周りには親らしき人たちがいっぱいいるので、オーディションかなにかと思ったけど、オーディションでそんな入場の仕方をするわけがない。

クラシックバレエの娘たちクラシックバレエの娘たち

劇場の表に回ったらまたもやすごい人だかり。なにごとかと眺めていると、おじさんがクラッシックバレーが今からあるんだと教えてくれた。正体はクラシックバレエの娘たちが並んで入場しているところだったのだ。見ているのは親たちか。

夕日を浴びたBacardiビル夕日を浴びたBacardiビル

いろんな時間に Bacardi ビルを見たけれど、このときが一番きれいだった。ラムの代名詞とも言える Bacardi。建物の上にはトレードマークのコウモリもいた。ご多分に漏れず、このビルも革命後に政府に没収されてバカルディさんはキューバから逃げたしたそうだ。

Hotel Parque Central屋上のプールバーからの眺めHotel Parque Central屋上のプールバーからの眺め

Hotel Parque Central屋上のプールバーのカクテル、ダイキリとピニャコラーダHotel Parque Central屋上のプールバーのカクテル、ダイキリとピニャコラーダ

散歩を続けていて、ふと上を見上げるとホテルの上のテラスで景色を眺めている人影を発見。Ambos Mundos Hotel のように屋上にバーがあるのではと、その建物 Hotel Parque Central に入ってみる。案内板によると屋上にプールバーがあるらしいので上がってみる。宿泊客がプールサイドでガウンを着てくつろいでいる。テーブルと椅子もあるし、劇場を斜めに見下ろすことができるなかなか良いスポット。ちょうど夕暮れ時でどんどん変化していく。しばらく椅子に座って景色を楽しんでいたけれど、飲み物を注文するところが見当たらない(飲んでいる人はいるのだが、プールの係の人しかいない)。少し下がったところに明かりが見えるので kame が偵察に行ってカクテルを買ってきてくれた。買いに行っている間に、注文を取りにきてくれたけどホールが人手不足みたい。ぽろぽろと観光客がやってきたが宿泊客なのか?ガイドブックに載っているのか?ダイキリとピニャコラーダで計10.25CUCと相場よりも高いが、濃くて多くてうまい。眺めも入れたら値打ちあり。

Associatión Canaria de Cuba で最後の晩餐をしながら、よい休暇だったなとしみじみ。

今日の歩きは 22,038歩。