12日目:ハバナからトロント経由で帰国

ついに旅の最後の日になってしまった。

今朝は宿の人も早く起きて食事の用意をしていた。時間の指定もできるんなんて、先に言ってくれたらよかったのに。ビジネスライクなのに、まだ経験不足なのか事前に必要な情報をきちんとくれていない。

残っていた往路の機内でもらったプレッツェルを食べて、8時半頃から散歩に出る。

日曜の朝は静かだ。昨夜は皆盛り上がっていたようだからね。

配給手帳とビニール袋を手にパン屋に並ぶ人々配給手帳とビニール袋を手にパン屋に並ぶ人々

エスプレッソを飲みながらカフェでのんびり。涼しくて気持ちがいい。

ポルトガル領事館だったというカフェ ポルトガル領事館だったというカフェ

ポルトガル領事館だったというカフェ ポルトガル領事館だったというカフェ

期待と心配を胸に昨日の夕方はやっていなかった Camara Oscura を訪問。

Camara Oscuraの建物Camara Oscuraの建物

Plaza Vieja 広場の一角にある建物に入っている Cámara Oscura は開いていたが、我々が今日の第一号の客らしく、下でだべっていた係の人とエレベーターで一緒に上へ。準備をするのにしばらく時間がかかるというので、テラスで写真を撮りながらしばし待つ。寄港している軍艦を見に人が集まってきているようだ。テラスの一部が修理中で 360度見渡すことができないの残念。

Edificio Gomez Villa(Camara Oscuraの建物)からの眺めEdificio Gomez Villa(Camara Oscuraの建物)からの眺め

Cámara Oscura は暗箱のことで(英語では Camera obscura)、光学反射鏡がハバナの街を 2メートルほどのパラボラ状のスクリーンに映し出してくれる。イギリス製で、スペインから寄贈されたものだそうだ。リアルタイムの映像なので歩いている人や飛んでいる鳥まで感動するほど鮮明に見える。近すぎる建物はピントが合わないのでぼやけてしまうが、監視などスパイ行為にもってこい。明るいときしか使えないなど欠点はあるが。

Camara Oscuraの部屋Camara Oscuraの部屋

上から下がっている紐で操作しながらレンズを傾けて写す方向を変えたり、スクリーンの高さや角度を変えてフォーカスを合わせたりしながら、ハバナの町を映し出し、建物の説明をしてくれる。一見の価値あり。すごい。さんざん歩いて、だいぶ覚えた町なので、見ながら最終確認ができて面白かった。最後に来てよかったかも。

港に軍艦を見に来た人たち港に軍艦を見に来た人たち

港に軍艦を見に来た人たちを見に我々も港に行ってみた。

屋台などの軽食・お菓子を食べながらの最後の散歩で見た街の様子:

手作りの椅子手作りの椅子

手作りの椅子手作りの椅子

手作りの素敵な椅子がいっぱいあった。最初はいいなと思いながらもカメラを向けていなかった。初日からしっかり採集していれば素敵なコレクションになったかもしれないのに残念。

甘ったれた犬甘ったれた犬

甘ったれた犬を冷ややかに見守る犬 甘ったれた犬を冷ややかに見守る犬

番犬の任務を帯びた犬も時々いて、写真を撮ろうと建物の中の方に入ると吠えてくるのもいたけど、道ばたに出ている犬たちはたいていのんびり。

お菓子を配達する人お菓子を配達する人

フライトはハバナ発14時30分なのだが、宿の人が出発の3時間前に空港に行くようにというので、10時45分に宿に戻り、着替えてパッキングをして、タクシーを呼んでもらう。

空港に向かっている途中、タクシーが急にポリスに停められてしまう。どうやらネズミ捕りに捕まったようだ。運転手が警官と話しているときの身振りとかがおもしろい。しばしお説教されて解放される。至る所でネズミ捕りをやっているようで、次々と停められている車を目撃した。

フライトの2時間半前に到着。A の窓口の方で Toronto と表示が出ているところの列に並んでいたら、それはキューバ航空の列で、Air Canada は B だと言われる。B の窓口はまだ開いていない。表示板にも Air Canada のチェックインは B と出ているので、みんななにげに列を作って待っている。しばらくすると、A に変更になってもう手続きが始まっていると。いったいどうなっているんだか。

とにかく手続きを終えてゲートに。ここからしばらくは食事ができなくなる(機内ではおつまみと飲み物だけしか配られず、美味しいとは思えないような軽食が有料であるだけ)。待ち時間も、CUC の残りもあるのでゲート近くにある店でサンドイッチ、ビールをいただくことに。

ゲート近くにある店でサンドイッチ、ビールゲート近くにある店でサンドイッチ、ビール

鶏のサンドイッチは注文を受けてから作ってくれる。ビールは、ブカネーロでキューバビールの飲み納めとする。

チョコ屋チョコ屋

チョコレート屋は街で行列ができていた「あの店」ではないかと思われるが未確認。お味の方は、並んで買うほどのものではないだろう。スイスのチョコレートを食べつけている贅沢な(^^;口なので、評価が厳しくなるのは仕方ないだろう。

ハバナの空港、国際線のターミナルハバナの空港、国際線のターミナル

万国旗にアメリカがないと喜んでいたのに、よく見ているうちに星条旗発見。つまんない

我々が乗る飛行機はトロントからの折り返し便。トロントが吹雪のため到着が遅れるという。来るときはトロントで一泊したが、今日はそのままニューヨークまで帰る予定。余裕を見て乗り継ぎに3時間とってあるが、あまり遅れるとヤバい。結局1時間遅れで出発。キューバは快晴で下がよく見える。泊まったリゾートホテルも確認できた。

飛行機から Jibacoa 方面が見えた飛行機から Jibacoa 方面が見えた

途中、フロリダのキー・ウエストを上空から見たときはオーって感じだった。

トロントの町は10日間で真っ白に変わっていた。着陸のときも機体がかなり揺れたが、停まってからも風であおられるほど。ゲート付近の雪かきが終わるまでしばし待たされる。日本だったら、飛ばないだろう天候。

パスポートコントロールは空いていてすぐだったけど、荷物がなかなか出てこない。外に出たときに時計を見ると次のフライトまで1時間15分。1時間前には受付してくれなくなるのに、アメリカ各地に行くフライトを同じところで扱っていてカウンターには列が。優先チェックインを受けられない身分に下がってしまっているのが応える。

チェックインカウンターに行くと、オーバブッキングのため席をアサインできないと言われてしまう(もうチェックインを閉め切る時間だから、アサインしないことになっている席が回ってくる可能性が高いらしいけど)。そして、アメリカ行きの搭乗手続きが特殊なシステムになっていて、タグをつけてもらったスーツケースを引きずって、パスポートコントロールに並ぶ。米国とカナダのパスポートの人は早いが、それ以外の人は待たされる。後で気がついたのだが、慌てて入国カードを書いたために、ニューヨークへの便名を書くところをハバナからのを書くというミスを犯してしまったようだ。しかし、Gビザを持っていることが効いたのか、何も言われずあっさり通過。

先に進むと預け入れ荷物用のベルトコンベアーがあり、自分でスーツケースを載せる。多分、入国を拒否される人が多いのと、そういった人の荷物が混入しないようにこういったシステムをとっているのだと思われる(だからこそ、はねられる人の数を見込んでオーバーブッキングをしているのかも)。次が機内持ち込み用の荷物などのチェック。ここはもう米国。全員が靴まで脱がなければならない。

指定のゲートに着いたのが定刻の30分前。電光掲示板を見るとほとんどのフライトは遅れているが我々のフライトは定刻どおりの予定になっている。だが、さすがに30分遅れぐらいで搭乗開始となった。

席のある人が機内に入った後、席のない人が名前を呼ばれていく。2番目に呼ばれてほっ。それまで、ちゃんと搭乗券を見ていなくて気がついていなかったが(カウンターの人も席が取れないとしか言ってなかったし)、lulun の席はアサインされていて kame 一人が空席待ちになっていたのだ。kame はキューバからのフライト中に風邪をひいてしまい体調悪そうだったので、一緒の便で帰ることができてよかった(遊び疲れという話もあるが)。まだ数人カウンターのところに人が集まっていたけど、みんな乗れたのかな?

トロントの空港でようやく飛行機が滑走路に出たのかと思ったら、クレーン車の変形みたいなのが近づいてきて、2本の触覚の間からものすごい勢いで翼に何かを吹きかけ始めた。後で調べたら de-iceing と呼ばれる気体に付いた雪を溶かす作業らしく、30分近くやっていた。飛び立った時時計を見ると22時30分を回っていた。

ニューアーク空港に到着したのは真夜中で日付が変わっていた。。夜も遅いし、kame の体調もすぐれないのでタクシーで帰宅することに。タクシー乗り場に行くと並んでいるのは白いタクシー。lulun は黄色でないタクシーがいるという状況が一瞬把握できなかった。そう言えば、ニューアークは NY でなくニュージャージーにあるのだった。遠い上に深夜料金なので70ドルもかかってしまった。このタクシー代が今回の旅行の一番大きな出費だったかも。家についてみたら、歩道のあたりに凍った雪が残っている。冬の世界に戻ってきたようだ。

今日の歩きは 15,496歩。