評価:4/5点
マーク・コーン&スザンヌ・ヴェガの開演までは1時間弱あったので、比較的短時間で夕食を食べられそうなところを物色。ゆっくりしているわけにはいかないが、ファーストフードに走る必要はないという微妙な時間。何軒かYelpでリストアップしていたが、営業時間外だったり店がなくなったりしていた中、ふと目に留まったベトナム料理屋。
そういえばYelpで見ていたけどわりとかしこまった店のようだったから除外していたのがこのSaigon R。よく見ると入り口にZagatのステッカーも出ているし、ベトナム料理に関してはこのところ欲求不満気味なのであまり期待せずに入ってみることにした。フォーとかならさっさと食べられるし。
小さい店で一応先客はいるが空いている。無意識のうちに東洋人のおばちゃんが出てくると思っていたら、意外にも白人のおじさんがホールをやっている。きちんとした感じで好感が持てる。そうか、きっと奥さんがベトナム人なのね、と妙に納得。
メニューにはベトナム料理と中華料理が半々ぐらいというところ。ちょっとチョイスが少なめだがフォーはあるのでまあいいか、フォー・ボー(牛肉のフォー)を注文。もう一つには鴨のロースト。
ホールのおじさんがフォーを先に出して鴨を後から出そうか、と言ってきたが断って同時に出してもらうことにする。やれやれ、アメリカ人はスープを先にしないといけないと強迫観念を持っているからなあ、と思っているともう一度同じことを言いに来た。今度は鴨が少し時間がかかるからフォーを食べながら待ったらどうか、というので、それじゃ鴨はどのぐらいかかるのかと訊くと10分ぐらいだという。なーんだ、それなら待ってもいいや、と一瞬思ったが、時間が無いのだから先にフォーを食べだしておいた方が得策だということに気づいた。
まず皿にモヤシとコリアンダー、ライムを盛ったものが運ばれてくる。おお、これはいいではないか、とちょっと期待が高まる。その後に出てきたフォーはラーメンどんぶりサイズでベトナムで食べるものの3倍ぐらいある。見たところまともそうだ。牛肉はもっと薄切りで半生であるべきだがここはアメリカなので仕方ない。麺もちょっと太め。
食べてみるとこれがまともなのだ。スープにはアニスとあともう一つ解析しきれないハーブが効かせてあってけっこう特徴がある。ちょっと甘めだが味もなかなか良い。化調に敏感なlulunもこれはOKだという。正直こんな郊外のレストランでこれほどのものが食べられるとは全く期待していなかったから嬉しい誤算だ。
鴨の方はこんがりと香ばしく焼いてあってこれもなかなか良い。骨が少なくて食べやすいし臭みも感じない。あまり味がつけてある感じではなく、海鮮醤が付属してくるがこれはちょっと蛇足。ご飯がたっぷり付いてくるのでお腹いっぱい。
店を出たのは開演10分ほど前。さっさと食べたけどやはりけっこう時間がかかってしまった。その間、客が次々と入ってきて店内のテーブルはほぼ埋まった。それなりに繁盛しているようだ。
味はしっかりしているし、NYでもこのレベルに達している店はそうない。お値段も良心的。郊外できちんとしたベトナム料理を出す貴重な存在だ。あまり行く機会はないけど、またコンサートがあったら予定に組み込みたいところだ。
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