Montréal 近郊:準備編

モントリオール育ちの上司と夏休みの話をしている時、今年はサイクリングしたいと言ったらケベックのことを色々教えてくれた。ちょっと調べてみるとケベックは自転車道がよく整備されていて、州政府観光局がちゃんとした本も出している。Cycling in Quebecがそれだ。当然英語版・仏語版があるが、ここは軟弱に英語の方を選択。


Cycling in Quebec
Cycling in Quebec

早速取り寄せてみるとこれがなかなかよい。本の出来も良いが、自転車道そのものや、交通機関や宿泊施設などの関連インフラも自転車旅行者のことを考えて整備していることが読み取れる。例えば、チャリダー向けとして認定を受けているキャンプ場は、自転車とテントで旅している人はどんなに混んでいても泊めてくれる。寝るところがないのは辛いからなあ。それだけ需要もあるし、供給側も力を入れているということだろう。やっぱりフランス的。気に入った。

日程は8月末の一週間。週末を合わせて最大8泊9日。飛行機に自転車積むのは色々面倒なので、できるだけ陸路。この条件で行き先を考えた。

最初にの候補はLe Saguenayというフィヨルド地帯。ケベックシティから電車で北に一日行ったあたりだ。鯨やアザラシが住む海、製糸業の近代遺跡、湖、ブルーベリーといった魅力満載。日程的にはギリギリで、途中で休んだりカヤックしている暇がない。さらに、このルートはかなり急坂があるということがBorealphoto.comというサイトから読み取れた。折りたたみ自転車では無理なので断念。

次はLe Saguenayから近いLac Saint-Jean。湖を一周するのでこちらは平坦。滝が多く、ゴーストタウンのテーマパークや動物園もあってゆっくり走って遊ぶにはなかなか良さそう。ただしこちらもアクセスが悪く、日程に余裕が無いためケベックシティを素通りすることになってしまう。これはもったいない。

もう一つ、これはモントリオールから南下してバーモントに入り、以前一部だけ走ったIsland Lineを経由してBurlingtonに出るというもの。これも通称Milk Train、正式にはMissisquoi Valley Railという鉄道跡の自転車道を通る。ケベックのワイン地帯も通るしLake Champlainも通るし日程的にも比較的楽。

それから同じくBorealphotoでオススメとされているのLe P'tit Train du Nord。鉄道跡なので平たいし、気楽に走れそうで景色も良いらしい。片道は一日二往復あるチャリダー専用バス(自転車と一緒に運んでくれるサービス)を使えるし、最後にモントリオールを持ってこれるというのも魅力。

色々考えた結果、最終的にはlulunの「せっかくだからまだ行ったことないところに」という一声でLe P'tit Train du Nordに。

起点・終点ともモントリオールとなると、アムトラックが使えるので比較的楽だ。11時間も乗るのに片道60ドルと妙に安い。アムトラックの規定を見ると、折りたたみ自転車は手荷物として持ち込めるようになったらしい。飛行機と違って梱包しないでいいのは嬉しい。壊される心配もないし。

輪行とキャンプ両方は荷物が多くなりすぎて無理なので、今回は主に民宿に泊まることにした。キャンプ場は自動車での利用が前提なので、道路脇にあることが多くて使いにくい。Le P'tit Train du Nordは自転車道近くにいくらでも宿がある。ただしホテルサイトから予約できないのがちょっと不便。

列車もホテルも予約して、最後にモントリオールからMont-Laurierまでのチャリダー専用バスを予約して準備完了。と思いきや、夕方のバスは運休するので別の便にしてくれ、とのメールが。要するに日曜日の午後にモントリオールから山に向かう客がいないのだろう。

仕方ないので普通の路線バスを調べてみると、日曜日の夕方の便がある。折りたたみ自転車は袋に入れて普通に積めるし、モントリオール中心部のバスターミナルから出るので実はこのほうが使いやすい。偶然とったホテルもこの近く。Mont-Laurier着が夜遅くなるがまあいいだろう。

というわけで多少の紆余曲折を経て久しぶりの自転車旅行の手続きは完了。