評価：4/5点

lulunはユニオンスクエアのファーマーズマーケットの常連だが、kameが行くのは久しぶり。lulunが土曜日に行くのも久しぶりということになる。曜日によって出店する農家が違うのでいつもとはちょっと違う光景が展開されるはずだ。

Union Squareで売っていたレモングラス
レモングラス

自転車を飛ばして着いたユニオンスクエアはすごい活気。平日とは店の数が全然違うし、来ている農家も見慣れないところが多いとlulunは言う。実りの秋で作物の種類も多くてどれもおいしそう。新鮮なレモングラスなどもあって二人してやや興奮状態。ちょうど2年前にNYに着いた翌日、時差ボケと闘いながら時間つぶしをしたのがここだったが、あの時の辛さと比べたら天と地だ。

それはそうと、わざわざここに来た目的はBuzzard Crest Vineyardsのぶどうにほかならない。実は秋号のEdible Manhattanの記事で読んで知ったのだが、ここはFinger Lakesでぶどうを専門に作っている農家で、土曜日にしかUnion Squareに来ない。まあそうだろ、遠いんだから。

Buzzard Crest Vineyards（土曜日のみUnion Squareに登場）
Buzzard Crest Vineyardsのぶどう

Union Squareの南東角から反時計回りに広場を回る。一応野菜などを買いながら進むが、ぶどう屋がなかなか現れない。ほぼ一周してあれれ、おかしいぞ、と思い出した頃に忽然と姿を現した。マーケットの一番南にあった。

Buzzard Crest Vineyards（土曜日のみUnion Squareに登場）
Buzzard Crest Vineyardsのぶどう

ぶどうの種類はおなじみのナイアガラやコンコルドに加え、Marquis、Jupiter、Mars、Lakemont、Canadice、Cacoと種類も豊富。どれも試食ができるので食べてみたらこれがうまい。今まで普通のファーマーズマーケットの店で買うナイアガラやコンコルドも充分おいしかったのだが、ここのは確実に一段上の味だ。来たかいがあった、と小躍りしながら全種類の味見をし、CanadiceとCacoを1ポンドづつ購入。ついでにぶどうジュースも。最近二人でジュネーブ時代に飲んでいたムー（moût）の話をしていたので、ここのムーを飲んでみたくなったのは自然の流れだ。

Buzzard Crest Vineyards（土曜日のみUnion Squareに登場）のぶどうCaco（左）とCanadice（右）
Caco（左）とCanadice（右）

家に帰って食べたぶどうはやっぱりおいしい。試食して気に入ったのを選んだのだから当たり前といえば当たり前だが、本当にうまい。やや実が大きめのCacoはピオーネのごく遠い親戚という感じで、小さい方のCanadiceは、うーむ、ちょっと比較できる品種が思いつかない。

Buzzard Crest Vineyards（土曜日のみUnion Squareに登場）のぶどうジュース
ぶどうジュース

ぶどうジュースのラベルには「必ず冷蔵すること。でないとワインになっちゃう」とあるのがおかしい。肝心の味は残念ながらジュネーブのスーパーで紙パックで売っているムーとあまり変わらない。やっぱりあの9月のごく短期間にのみRussinの農家のおじさんがEaux-Vivesの土曜日マルシェに持ってくるムーは一種ものすごい贅沢だったのだな。

これからしばらくはぶどうの季節が続くから、徐々に移り変わる色々なぶどうを買いに時々足を運ぼう。貴重な土曜日の午前中だが、このためなら惜しくはない。

ちなみに同じ号のEdible Manhattanに、Union Squareのファーマーズマーケットの舞台裏の記事もあってこれもとてもおもしろい。Buzzard Crestもそうだが、こういう人たちが頑張ってくれているからおいしいものが食べられる。ありがたいことだ。