ついにレトロな飛行機の航空ショーを見ることができる Old Rhinebeck Aerodrome 行きが実現。去年の秋に一度は予定したものの天候が怪しそうでキャンセルしたのだ。展示だけは年中あるらしいが航空ショーは6月から9月のみ。昨日の土曜日から今シーズンのショーが始まった。
入り口
Old Rhinebeck Aerodrome入り口
Penn Station 10:20発の AMTRAK に折りたたみ自転車とともに乗り込んで Rhinecliff 駅を目指すという計画。余裕を持って家を出たら順調すぎて、発車の55分前に駅に着いてしまい時間を持て余すことに。出発情報の掲示板を見ながらマイアミ行きがあるぞ!マジ?などと楽しむ。ちなみに今日乗る電車はナイアガラ行き。電車でナイアガラか、それもいいな。
Penn Station
駅の掲示板
利用する度に、直前にならないと発車ホームが分からないというシステムはなんとかならないだろうかと思ってしまう。特に輪行する時はできるだけ利用ホームの近くで袋に入れて、自転車を抱えて歩く距離を短くしたいのだ。待っている間に人気路線のボストンやワシントンDC行が先に出る。ホーム番号が表示された途端に殺気立った感じで人が動く。これぞ Penn Station という景色。
今日の車両は荷物スペースが少なめ。車両の前後に大きな荷物用の場所をしっかりと確保していてくれたらよいのに。こういった細かいことで消費資本主義って嫌だなと感じることが日々増えていっている気がする。
Rhinecliff Station
段差があるため踏み台が用意されているRhinecliff駅
Amtrak の切符の取り扱いが改善されたのは嬉しい。以前はネットで購入後レシートを印刷したものを持参してキオスク端末で発券するという理解不能な面倒な手続きだった。そして大抵の場合端末がまともに動いてくれなかった。今は自宅で券を印刷するか、スマートフォンに仕込んでいればよいのだ。楽になった。
Rhinecliff Station
Rhinecliff駅はハドソン川の目の前
11:55 Rhinecliff駅に到着。自転車を組み立て出発。駅から空港までは10kmほど。途中アブラゼミの鳴き声も聞こえるが、遠くから「わ〜ん」というビームのような蝉の声が聞こえてきた。もしかして、これが噂に聞いていたNYあたりで17年の眠りから覚めて今年大量発生と言われていたセミ!?ちょっと薄い青色のスリムなセミだった。たくさんいるから後でいいやと思っているうちに撮影しそこなってしまった。失敗。
Bread Alone
Bread Alone
空港に行く途中で Rhinebeckの村に寄って昼食を調達。この村はお金のある人達が集まっていてようで小洒落ている。第一候補のランチスポットの店を見つけることができず、第二候補のBread Aloneへ。NYCのグリーンマーケットに出店しているので利用したことはあるし、この店のシリアルはスーパーで販売されておりお馴染みのロゴだ。こんなところのパン屋だったのか。昼食時で混んでおり、かなり待って Spicy Merguez Sausage & Arugulaと Banh Mi のサンドイッチを購入。パンは良いけれど、ソース多すぎのアメリカ的なお味。仕方ないか。
Bread Alone
Bread Aloneのサンドイッチ
待っている間にちょうど空いた店の前のベンチで食べてから、今日の本命 Old Rhinebeck Aerodrome に向かう。雰囲気のある空港ではないか。駐車場にチャリを置いて会場の方へ。入場料は一人20ドルで高いなと思ったけどここまで来て引き返すわけもない。支払いをしている kame を置いて勇み足でどんどん中に入る lulun。
Old Rhinebeck Aerodrome
Old Rhinebeck Aerodrome
入り口を入ってすぐのエプロンにずらっと飛行機が並べられている。なんと美しい。複葉機大好きの lulun は「かっこいい!」と興奮しまくり。一機だけ一般の人が乗せてもらうことのできる飛行機(75ドル)があり離着陸を繰り返している。
Albatros D.Va (rep) Germany 1917
Albatros D.Va (rep) Germany 1917
作成中のレプリカ展示もある。リンドバーグが大西洋を渡った Spirit of St. Louis。バネのところがゴム製なのはさすが。
Ryan NYP Spirit of St. Louis (rep) USA 1927
Spirit of St. Louis
早く来た人たちは日陰に陣取りショーが始まるのを待っている。
観客席
観客席
最初にボランティア参加型のファションショー。今日の航空ショーのお題の「第一次大戦」にそって、ファッションショーも当時のものに。軍服の説明のところだけ急に軍服姿のじーちゃんに交代。あんちょこを見ずに細かな説明をスラスラと。愛情が伝わってくる。
レトロ・ファッションショー
ファッションショー
ファッションショーの舞台の後ろが滑走路。芝生の滑走路!
ファッションショーの後はアンティークカーに乗ってプチパレード。ここにはアンティーク飛行機だけでなく、アンティークカーまであるのだ。
レトロの電気自動車。昔から存在していたのか!静かだし、こじんまりしていて素敵だ。
Baker Electric 1911
電気自動車
1910〜15年にオハイオで作られていた電気自動車。クラッチがなく運転が簡単で女性に人気だったらしい。Macy’s の前に充電用ステーションがあったらしい。100年も前にそんな時代があったとは驚きだ。そして、お待ちかねアンティーク・航空ショー開始!
Fleet Finch 16-B (original) USA 1942
Fleet Finch 16-B
Fleet Finch 16-B (original) USA 1942
lulun はエルマー90mm で撮影に臨んだが、飛行速度が遅いこともありそれなりに撮影できた。60-70年たっても健在とは素晴らしい。ここでも古いものの良さにうっとり。2050年に使われている iPhone 5なんてきっとない。
DeHavilland DH.82 Tiger Moth (original) UK 1934
DeHavilland DH.82 Tiger Moth
DeHavilland DH.82 Tiger Moth (original) UK 1934
DeHavilland DH.82 Tiger Moth (original) UK 1934
しばらくして、ドイツが誇る Fokker 登場。プロペラを人力で回して勢いをつけるのか。飛ぶ姿が美しい。
Fokker D.II (rep) Germany 1918
Fokker D.II
Fokker D.II (rep) Germany 1918
Fokker D.II (rep) Germany 1918
Hanriot は落ちても大丈夫なくらいの高度で飛んでくれた。最初は宙に浮くということだけでもすごいことだったのだろうというのが伝わる。
Hanriot (Rep) France 1910
Hanriot
Curtiss “D” は操作の仕方を披露だけで飛ばなかったけれど、木製だよ、竹製だよ。1911年とか1918年のエンジンまで動態保存とは素晴らしいと感動と興奮の時間が過ぎる。
Curtiss 'D' (copy) USA 1911
Curtiss “D”
空飛ぶバスタブと呼ばれた Aeronca C3 は可愛い。
Aeronca C3 (original) USA 1931 'Flying Bathtub'
Aeronca C3
Aeronca C3 (original) USA 1931 'Flying Bathtub'
最初に飛んだ青い Fleet Finch 16-B と赤い DeHavilland DH.82 Tiger Moth に SPAD VII が加わって3機が揃って出発。ラガーディア空港よりも短い間隔で飛び立っていく。
SPAD VII (rep) France 1917
SPAD VII
トレペを流したり、偽物爆弾を落としたりと楽しませてくれる。滑走路の奥にハリボテの建物があり何なんだろうと思っていたら、爆弾投下のタイミングで爆撃を再現する爆発音と煙が上がる仕組みに。
爆弾投下
爆弾投下
航空ショーの合間&最中に間延びしない工夫なのか、第一次大戦当時の設定で寸劇みたいなのをやったり、アンティークカーで走り回ったりと楽しませてくれる。レトロな消防車も登場。やっている人たちも楽しそう。
American La France Fire Truck 1922
アンティーク消防車
予想をはるかに上回る充実したショー。航空ショーがない期間も見ることのできる博物館が見当たらないと思っていたら、博物館は公道を挟んで滑走路とは反対側にある駐車場のさらに先にあり30機ほど展示してあるとショーの中でアナウンスが。行かなければ。しかし、5時過ぎに出る電車の切符を買ってあるので4時には会場を出なければならない。どうしようと焦り始めた頃、三葉機の赤い男爵が移動を開始。まさか飛ばさないだろうと思い込んでいたFokker Dr.1。飛ぶの見たい。ぜひとも見たい。ここで帰るなんてありえないでしょと、kame が電車の変更をしようとしたが、iPhone の AT&Tの回線は遅すぎて繋がらない。Verizon は?とiPadを見たらLTEが入っているではないか。18:27 発の電車に即刻変更。やったー!
Fokker Dr.1 (rep) Germany 1917 Red Baron
Fokker Dr.1
Fokker Dr.1 (rep) Germany 1917 Red Baron
飛んだ!
Fokker Dr.1 (rep) Germany 1917 Red Baron
美しい
Manfred Albrecht Freiherr von Richthofen の乗っていた機体。どうやら Red Baron という映画があるのか。
Fokker Dr.1 (rep) Germany 1917 Red Baron
着陸が難しいらしいが見事に。
堪能したぞ。今回飛んだ飛行機のなかでも飛ぶ前にプロペラを人力で回して勢いをつけなければならない古めのものの方が音がいい。新しい方は、日頃見慣れている水上機と同じような音がする。何れにしても、昔の飛行機はカッコ良い。
博物館
博物館
さあ、博物館の見学だ。駐車場を横切って丘の上に上がるとハンガーが3つ並んでいる。
3つ並んだハンガーは倉庫的な感じだけれど、向かいのお土産物屋さんの奥にある方はもう少し博物館的に。手作り感のある親しみのある展示だ。
こちらにも Fokker Dr.1 が。顔のアップ。
Fokker Dr.1 (rep) Germany 1917 Red Baron
Fokker Dr.1
来てよかった。帰りの電車を変更できてよかった。NYに着くのが遅くなるので食べ物を仕入れようと村によったもののこういう田舎の夜は早いしぱっとしない。結局お昼を買った Bread Alone で甘い系のものを調達して(サンドイッチのたぐいは4時で終了だそうだ)軽くお腹にいれて、夕食はNYに戻って食べることに。
Rhinebeck
道路
ところどころ路肩が激しく傷んでいて自転車では走りにくいと思いながら駅に向かう。新たに予約した電車はモントリオールから来る車両だ。lulun が2週間後に乗ることになっているやつではないか。日曜日のNY行きなので乗客が多い。
Penn Station に戻ったら Korean Way に行きウリチップで簡単に食べて帰宅。大満足のお出かけだった。
今日の走行は 24km ぐらい。