評価:5/5点
2016年7月11日〜7月16日 5泊
ドミニカ滞在2日目から 767 Ecolodgic Lower Loveに移動。首都 Roseau から車で30分ほど南へ下ったところに Soufrière という小さな漁村があり、そこからさらに山の方に入ったところにある Airbnb の宿だ。
最初に車で来た時は村からこんなに離れていてるのかと心配したが、歩いてみたら30分もかからなかった。初めての道というものは遠く感じるのだ。日陰になるところも多く見るものもあるので苦にならない距離だった。
簡単な門を入り目隠しの木々の先に進むと、世界に一つだけの手作りのコテージ。一歩中に足を踏み入れた途端に興奮する。
庭から取ってきたお花を飾ってくれてある。あらゆるところにセンスの良さが漂っている。寝室にあった白い花は特に香がよかった。夜寝室に蟻が来ていたが、あれは花に来ていたのだろう。
ガラス窓はなく網戸が貼ってあるだけ。網戸越しに外を見ていると、鳥が次々とやって来る。カナリアのような黄色い鳥、胸が青緑に光る美しい鳥はハミングバード。部屋の中から外を眺めているだけで飽きない。
電気や水道はきていないものの、屋根に付けたソーラーパネルで電気をまかない、水は雨水を利用している。水を集めるために屋根を少し傾けて雨樋に流れるようにしてある。この水が感動的においしかった。電気と水の大切さとありがたさが身に沁みる。
お手洗いは別棟。そしてシャワーはその先の屋外。と言っても、木々で遮られているし、まず誰も来ないところなので問題ない。水シャワーを浴びると涼がとれて気持ちいい。そんな中で、水洗トイレというのが凄い。下水はどうしているのか質問し忘れてしまった。電気式の虫よけを持ってきたけれど、蚊取り線香を購入して利用することにした。
洗濯機はないので洗濯は手洗い。次の洗濯機付きの宿まで最低限の洗濯で乗り切る。
夕暮れ時にはホタルの緑の光が現れる。夕食を食べながらそろそろホタルの時間かなと外を見て光を探すのが毎晩の楽しみだった。天気の悪い日は数が少なかったりするものの、贅沢な時間だった。
ただし、夜は虫の声が半端無くうるさい。山の中の夜はこんなにやかましいものなのか。ついつい静まり返っているところを想像してしまうが現実は厳しい。自然の中で寝るには耳栓が必須。
到着した夜がちょうど半月だったのだが、半月の明るさに驚いた。暗闇の中で過ごすと、満月の明るさや新月の暗さが身に沁みるだろう。昔の人が月の満ち欠けや星の動きのシステムを解明したことが奇跡のように思えていたが、真っ暗な中で数日生活をしていると、月明かり星明かりが生活に強く影響するから解明して当然というか、日々夜空を見ながら考え続けるのは当然の成り行きなんだと気がついた。
夜中の3時頃目が覚めて星を眺めると、月は沈んだあとの晴れた夜空は暗く息を呑むような星空。星明かりを堪能。シェルバーン、沖縄の安田と並ぶ人生最高の星空。kame が寝ていて見せることができなかったのが残念だ。
庭には果物や花がたくさん。バナナ、グワバ、ライム、パッションフルーツ、パパイヤ、ココナツ、椰子がなっている。パイナップルやマンゴーもあるけれど実がなっていない。部屋のカゴに入っていた果物たちを最初は飾りなのかと思っていたが、本物だとあとで気がつく。庭にあるものは好きにとって食べて良いというので、日々物色。採集も楽しい。
屋根があって、電気と水とガスがある。これだけでなんと贅沢なことか。家の中で眠ることがいかに守られている安心感があることか、担いで歩ける程度のテントでキャンプをしていた身に染み渡る。
そして、屋外にいたら、虫にやられまくるような環境で、網戸の中から外を眺めていられるなんて、ものすごい贅沢。超高級なキャンプだ。
毎朝、食後は洗い物、掃き掃除、ベッドメイキング。ちょっと油断するとすぐに蟻がやってくる。素足で歩くので掃き掃除の後は気持ちが良い。ベトナム人がお掃除好きなのはなるほどだ。日ごとに手際がよくなるのも楽しい。
家においてあったフルーツ(パパイヤ、カカオ、パイナップル)
出発の前日にオーナーさんのところに寄ると、自分の住処や、貸し出している別の広い方の部屋を見せてくれた。素晴らしい。そして自分の作品である建物を見せるのが嬉しそうで、本当に好きなんだなと。ソーラーパネルや、水の話(水は雨水をためる仕組みと、少しだけ塩素を入れているとか)をしてくれて、この時ドミニカの水が美味しいのではなく、彼の水がオイシイのだと判明。出発の朝のタクシーも手配していただき感謝。
文明社会にどっぷりの我々にはここに住むのは厳しいが(インターネットも使えないし)、ゆったりとした時間を過ごしにまた訪れたい。ドミニカに来て、そしてこの宿に泊まって本当によかった。まさに楽園だった。