セント・ルシアでの宿は、近頃すっかりお世話になっている Airbnb から予約をしたお部屋。場所は島の南西にある古都 Soufrière の村から老舗のリゾートがある Anse Chastanet の方に入ったところ。ビーチまで徒歩10分という立地のプール付きのリゾートロッジ。
ますば空港からオーナーの手配してくれた車で宿に向かう。国道(舗装はちゃんとしておりそこそこ豊かそうだ)をそれてかなりの悪路をしばらく走っていると突然車が停まり、ドライバーが着いたよと教えてくれる。えっ?どこ?と思ったら道の下側に建物がありそう。途中の買い物のための寄り道時間を除けば、空港からは45分ぐらいの距離だろうか。宿に着くと猫がお出迎え。否、マネージャーの Charmaineおばちゃんが迎え入れてくれて、ざっと説明をしてくれる。きっぷがよくてこの仕事には適任。
道路に面している玄関にはドアはついているもののなかばオープンな建物で、キッチン、寝室と別々に鍵をかけておかないと外からアクセスし放題。リビングとバルコニーのところは鍵なしエリアになっている。開放的だ。
ベランダからはセント・ルシアで一番有名なピトンが見える。
ベッドルームには天蓋カーテンが着いており蚊帳として役に立つ。つまり、蚊がいるということだ。部屋には虫よけや蚊取り線香なども置いてくれてある。寝室には窓用のエアコンがあるものの滞在期間中は暑い日でも扇風機で十分だった。
キッチンには一通りの調味料からレンジを含めた調理道具まで揃っている(今回は料理はほとんどするつもりはないけれど)。セント・ルシア産のコーヒー豆とフルーツが用意されていた。
冷凍庫には氷が作ってある。実に痒いところに手が届くサービスだ。水道の水はカルキの臭いが少しあることを除けば悪くない。レモンを少し混ぜると気にならない範囲。
セント・ルシアはイギリス領だった影響で、コンセントの形状と電圧がイギリス式だ。ところが、この宿には数カ所米国式のコンセントがあり、110Vと書かれいた。おかげでイギリス式から米国式への変換プラグを持ってきたが使わずにすんだ。
この宿のプールは、泳ぐような広さはないが、何をどうしたらこうなったのか真相を知りたいぐらい深い。ほぼ立方体のプールで、足が届かないので今ひとつのんびりとくつろげない点が残念だけど、プールがあると身体を冷やすことができる。もっとも涼しい夜は水が冷たくて入れないぐらいだった。
置いてあった石鹸はブドウ。紫色でぶどう味の安いお菓子の香がする不思議な石鹸だった。南国では、ブドウやリンゴが受けるのだろうか。
この宿を予約したときのオーナーとのやり取りで、空港に車を手配してくれることや、その車が宿に来る途中でスーパーに寄ってくれることなどいろいろと旅行者が何を必要とするかなど把握しいるところが素晴らしいと感じていた。さすがそのオーナー、宿においてある資料のファイルが充実している。お薦めのレストランだけでなく、デリバリーの手配や料理をしてくれることなど。近辺の観光情報やとにかく滞在者が欲しがる情報はほぼ網羅してある。そして、セント・ルシアのガイドブックも抜かりなく置いてあった。
そして、初日の夜の夕食を準備してくれてあるという嬉しいサービス。到着してそうそう、夕食の心配をしなくていいのは本当にありがたい。猫がいるので食物はオーブンの中に隠してあった。
メニューはお米、魚(ショウガとライム)、鶏を煮込んだの、バナナと芋、マカロニグラタン、サラダ(玉ねぎが辛い)で、うまい。買ってきたビールで無事到着を祝って最初の晩餐を楽しむことができたし、とても食べきれなかったので冷凍しておいて最後の晩餐の一部にもなった。
朝洗濯をお願いすると、昼過ぎには畳んで戻ってくるし、夕食のデリバリーもお願いできる。料理もしてもらえるそうだが、システムが良くわからなかった。作っているところを横で見たかったのだが残念だ。
滞在中、部屋の中の掃除はほとんど入らなく、ゴミも捨ててくれないが、庭掃除やプール掃除は毎日来てくれた。夜の見回りのお兄さんがほぼ毎日来ていたが、彼は我が家の下に寝ていたのだろうか、これも謎のままだった。
そういえば、初日の夜シャワーを浴びようとすると湯量があまりにも少なすぎてショックを受けたのだが、何故か翌日からはちゃんと出るようになった。これも謎の一つ。
ところで、宿付きの猫は4匹いて、甘えてくる子、滅多に姿を表さない子などそれぞれ個性がある。キャットフードが置いてあり、客は餌やりをやってもやらなくてもどちらでもよいらしいけれど、せがまれるので一日に何度か餌やりの仕事をしてしまう。人間の食物にも興味を示して欲しがるがこちらは変なものを与えて間違いがあるといけないので厳しい態度を取る。おおむね良い子達でひとときのペットのいる暮らしを楽しむことができた。ただし、2度ほどオシッコを、一度ウンチを部屋にされてしまったのには閉口。ペットを飼っているとこういうこともあるのだろう。
庭には数カ所に鳥の餌場があり、餌を上げると鳥が集まってくる。バナナやパンは人気だったけど、パイナップルだけは最後まで食べてもらえなかった。鳥だけでなくトカゲまでも食べに来てくれて、ベランダで過ごすだけでも楽しい。
最後の夜にベランダの前の木に kame がオポッサムを発見。オポッサムが夜現れることを知っていれば、夜にも餌を用意しておいてあげるのだったのに。
ちょうど滞在中に新月が巡ってくるタイミングだったので、夜空が暗く星の数が尋常ではなかった。周りに明かりは殆ど無いし、懐中電灯がないと歩けないほど真っ暗なところならではの贅沢だ。毎晩星空を堪能できるだけで幸せになった。
徒歩圏内にビーチと村があり(後者は普通の人は歩いていかないと思われる)便利で居心地のよい宿だった。ちょっと奮発した宿は、それだけの価値のある良い時間を与えてくれた。