評価:3/5点
先週の魂ラーメンに続いて30th AveにできたRamen Okidokiにも行ってみた。
餃子が食べたい気分なのでその気満々で店に着くと、おお、ビール$3.50のキャンペーン中ではないか。
間口は狭いが4人掛けと2人掛けのテーブルが二列に並んでいる。冷房しているのにドアは開放というのは最近NYでよく見るが、エネルギーが安いアメリカだからできることか。
メニューを見るとスープが数種類あるようで、鶏ベースの塩ラーメンと豚骨のBBQ豚骨ラーメン、それに餃子を注文。餃子は肉の種類が選べるし、チャーシューも「豚でいいか?」と確認してくるあたりはアメリカ、いやアストリア仕様というべきか。
ビールはキリン、アサヒ、サッポロしかないので迷わずサッポロを選択。一緒に出てきたキムチは甘いだけで最低。こんなものを出してコリアンとして恥ずかしくないのだろうか。
意外と早く餃子が運ばれてきたと思ったら小ぶりの揚餃子だった。これは予想外の展開。中身も肉がたっぷり詰まっていてlulun曰く「これはマンドゥだね」。これはこれとしてビールのつまみにはぴったりだ。
白濁した鶏スープの塩ラーメンは魚の出汁が効いている。同じコリアン系の魂ラーメンと同じで、出汁にはこだわっている様子がうかがえる。こってりした鶏スープとのバランスも良いし、細めの麺を合わせているのも正解。
一方の豚骨ラーメン。豚骨スープに加えて鰹節、ニンニク、太麺でかなりワイルドな仕上がりになっている。これをラーメンと呼ぶのは少し抵抗があるのだが、このスタイルはこれで認めたい。今でこそ正統派に近い塩ラーメンの方が好ましく感じられるが、慣れたらけっこう好きになるかもしれない。
意表を突かれつつ食べているうちにわかった。これは中国から日本に伝わってラーメンというものになったスープ麺を、さらにコリアンのフィルターに通して新たなスタイルのスープ麺に仕上げたものなのだ。lulunが「沖縄料理を食べてる気分」というのは従来の枠から少し出て異なる要素を組み合わせている、という印象を的確に表現している。そういう意味では南アジアから英国を経由してカリブ海で発達したカレー料理と同じようなものではないか。違うところはこの場合東シナ海を渡らずにNYCという小宇宙でその異変が起きているところか。
なんてことを考えていたらスシだって同じような変質を遂げたわけだし、コリアン系のラーメン屋がちょっと面白くなってきた。たまには秀ちゃんや味千みたいな本物のラーメンも食べたいけど、偏見なく試してみる価値は大いにある。