足漕ぎカヤックなるものを初めて見たのは2年前のHackensack Riverだった。以来一度乗ってやろうと思い、実際Empire Kayaksでは目にしていたのだが、ついにその日がやってきた。
Press 195でお昼、Whistle Stopでデザートとカロリーを補給して万全の態勢で臨む。いや、正確には食べ過ぎでちょっと苦しい。頑張ってカロリーを燃やさなければ。
そもそも足で漕ぐタイプのカヤックの総称を知らないので、店に入ってカヤックなんだけど、足で漕ぐやつ、と告げる。いつもはシングルだが初めてなのでタンデムを選択。実物で構造を説明しながら、浅瀬には行かないこと、上陸の時は片足を踏み込むこと、バックにはパドルを使うことなどの注意を受け、海に出て行く。
干潮に近いのであまり岸に近づけないのがややもどかしい。岸から多少距離があっても思わぬ浅瀬があるので注意が必要だ。天気が良くて風も少ないカヤック日和なのに今日は客が少ないな、と思ったらそうでもなかった。水路を進んでいくとけっこうカヤックやSUPの人がいる。
自転車だとペダルが回転運動するのだが、これはギッタンバッコンと前後運動のみ。それに合わせて水面下にあるヒレがパタパタと動いて前進するのだ。ヒレが後ろから前へと動くときは畳み込まれるという仕組みで、つまりはアヒルの足みたいなもの。進行方向は舵で操作する。
操舵はちょっと慣れが必要だ。久しぶりにタンデムに乗ったのが、新しいことが苦手なlulunの精神的負担が少ないという点で正解だった。疲れたら交代で休んでも流されないという利点もある。
水路の途中に前回はなかったはずの廃屋、といっても完全にぺちゃんこに潰れた建物があった。Sandyにやられたに違いない。こんなところだからかなりの被害が出たはずだ。
足漕ぎカヤックは予想通り楽で、いつものコースを一回りするのに1時間かからなかった。そのまま東の方に進んで適当なところで折り返す。西に向かって漕ぎだすといきなり向かい風。そういえば午後から風が出るという予報だったっけ。時間があるからいいものの、いつもとは違う筋肉を使ったので二人とも脚がつり気味。なんとか帰港。
一度乗ってみたかった足漕ぎカヤックだが、結論としてはカヤックとは違うものだ。浅瀬に行けないし、どうしても構造が複雑になるのでカヤックのシンプルさが失われる。手で操るという感触がないのもつまらなくなる一因ではないか。というわけでこれは一回でいいや、という結論になった。
来る途中に今日はIsland Parkでイタリアンのお祭りのポスターを見かけていたので、電車に乗る前に覗いてみることにした。この夏は近所で盛大な祭りを見ていたので、こういう郊外の小さな町ではどういう雰囲気なのか興味があったのだ。
教会を中心にメインストリートらしき道路を閉鎖して屋台や遊具が出ていて人もいっぱい。子供から年寄りまでみんな実に楽しそうだ。町内会のおじさんという感じの人達が店番をしているビールトラックでBlue Moonを一杯。運動した後のビールはうまい。
電車の時間までぶらぶらし、zeppoleの屋台に後ろ髪をひかれながら我慢して駅へと向かった。今日は甘いものいっぱい食べたし、晩ご飯はJamaicaでインド料理と決まっているからだ。来年もこの時期にカヤックに来るとするか。