評価:4/5点
炭焼きチキンと豆入りご飯というのはカリブ海全域を代表する料理だが、ここフランス領サン・マルタンにも存在する。ここではloloと呼ばれる簡易食堂があってそういう店で地元民とともに肉や魚を焼いたものを食べるのが正しいらしい。
Grand Caseにはそのloloが6軒集まっているところがあり、前を通ると常にもうもうと煙が上がっている。二日目の晩はそこの一軒を試してみることにした。
道路に面した2軒はTrip Advisorにも出ているSky is the LimitとMarigotにも店舗があるらしいTalk of the Townという規模も知名度もある店だ。その奥にはもっと小さな店があり、一番奥の海に面した店などはあまりやる気が感じられない。まだ早いからかもしれないがガランとしていてグリルにも火が入っていない。
なぜかlulunはそのやる気のなさそうな店に向かって当然のようにずんずん進んでいく。「ん?ここでいいの?」と念を押すといいという。席から海が見えるし涼しい風も嬉しいのでまあいいか、と奥のテーブルに陣取る。あとでわかったのだが、lulunは道路側から海側までずっと同じ店だと思っていたらしい。
メニューはシンプル。焼き物単体とご飯と野菜などが付くセットがあるので鶏モモ単品とスペアリブセットを注文。Salt fish cakeというものも見えたので1個頼むと小さいけど本当に1個か?と訊かれたので2個にした。すっかりおなじみになったCaribビールを飲みながら海の方を眺めて待つ。
テーブルには塩コショウのほかに辛そうな謎の調味料が置いてある。まあ辛いだけなのであまり付加価値はない。白いのはただのマヨだった。
リブ、ご飯、バナナ、ポトとサラダ、コールスロー、サラダ
まずはスペアリブ。事前調査ではloloのリブは甘すぎるという話が散見されたのだけど、ここのリブは甘くないのが嬉しい。かなり煙いのも我が家好み。表面に白っぽく見えるソースはニンニク油でその効果はすばらしい。
肉も良いが、お供の味が良いのも嬉しい。ご飯の味も良いしニンニクの効いたポテトサラダもうまい。コールスローもまとも。バナナは甘く熟れているタイプで、ほとんど味を付けずにそのまま軽く煮ている感じ。
鶏も同様で水分の抜け具合と煙さからスモークチキンを思わせる。BBQは高温で燻製するようなもんだからそれもそうか。こいつもうまい。
Salt fish cakeほぼさつま揚げ。もっちりしているのでタピオカ粉でも入っているのか?
食べているうちにけっこう客が入ってきた。しかも地元民や長期滞在者っぽい人が多い。確かに観光客は道路側の店に取られるが、わかっていてわざわざこの奥の店に来る人がいるというのは頷ける。後日道路側の店も試したが味は明らかにこちらが上。勘違いとはいえlulunの嗅覚を褒めるべきだろう。