評価:4/5点
マルティニーク随一の都会、Fort-de-Franceに出てきたからには食事は厳選しなければならない。以前読んだ記事で言及されていたThe Yellowはもっとクレオールな店かと思ったが店の前に出ているメニューを見たらけっこうストレートなフランス料理のようだ。
12時を少し回ったところで急な階段を登ると、そこにはガラスの扉があるが開けられない。「あれ?」と思っていると中から店員が開けれくれた。なんと中は冷房している。こんな店は今回の旅で初めて。暑い中街歩きをした後なのでほっとする。
The Yellowという名の通り、インテリアは黄色と赤でまとめられていてなんともカリブな色彩感覚だ。それとも中華料理屋だったのだろうか。
渡されたメニューは飲み物のみ。ここでも「あれ?」なのだが先に飲み物を注文させるのだろう、とピニャコラーダとおなじみになったLorraineを頼む。中からも身体が冷えるのが嬉しい。
今度は食事のメニューが運ばれてきたが、二人の手元には微妙に違うバージョンが。きっと二種類(もっとあるかも)のメニューを日によって用意しているのだろう。そのことを指摘したら同じのを二つ持ってきた。狙っていた甲殻類のリゾットが今日はないのが残念。
パンは自家製で焼きたて。ホカホカで柔らかく美味。
前菜には迷わずフォアグラのテリーヌを選択。もちろん美味いのだがこれはかなり出来が良い。チャツネの甘みもよく合っている。幸せだ。
マグロのタタキは正攻法でシンプル。これも美味い。
4種類の魚の盛り合わせも美味。マグロが被ってはいるが味わいは全く違う。
この際なのでデザートも行くことにした。選んだピスタチオのCoulantは出来上がりまで10分ほどを要するという。Coulantというのでズッパ・イングレーゼみたいなものを想像していたのでよくわからん。
出てきたのは一見マドレーヌのようなケーキ。ところがこいつを突き崩すと中から緑色のドロリとしたものが流れだす。なるほどこれがCoulantなのね。これも非常に美味。
食べている間にほかの客も数組入ってきたし、中には一人できたおじさんも。近くで働いている人だろうか。観光地としての価値は低いFort-de-Franceだが、これだけの料理が普通に出てくるのはやはりフランスの地方都市の底力だろうか。ほかにも同等の実力の店はいくつもあるに違いない。今後開拓する機会はあるのだろうか。