評価:3/5点
グレナダの奥座敷とでも言うべき北部には観光客向けの食事処があまりない。プランテーションのレストランなどは一応あるのだが、事前に予約しないといけないのはそれだけ需要が少ないのだろう。
そんな中でほぼ確実に開いているのはBelmont Estateぐらいなので、お昼に合わせてBelmontに行くという予定を立てた。園内を見学してレストランに到達したのはちょうどお昼時。
広いレストランにほぼ一番乗りしたので窓際の席に通してくれた。席からはカカオを干す棚、遠くには海が見える。海から吹く風が気持ちいい。
3コースで前菜とデザートは選択式、メインはキャンティーン方式であるとの説明を受ける。そうこうしているうちに次々とマイクロバスがやって来て広いホールがだいぶ埋まった。今日は港にクルーズ船が着ているに違いない。確かにここは団体向きだ。
前菜はパパイヤのスープとバナナをこねて丸めたplantation ballsなるものだというので一つずつ選択。本当にココナツの香りがするココナツ入りパンと薄いオレンジジュースをいただきながら待つことしばし。サービスがゆっくりなのは混んできたからか、それともこれが島のペースなのか。
スープは言われてみればほんのりパパイヤかもしれない、という程度で基本的には野菜のポタージュ。plantation ballsは粘りのあるコロッケといったところか。ジュースは薄くていかん。てか今の時期にオレンジ採れるのだろうか。ここはプランテーションなのだからやっぱり今の時期に採れるものを選ぶべきか。
そうは言ってもサラダが100%輸入なのは致し方ない。自分で好きなだけ取れるのでこの機会に野菜不足を補う。
小柄なねえちゃんに頼んで料理を少しずつ取ってもらう。今日の料理はインゲンのニンニク風味、魚のポワレ、ローストチキン、ビーフシチュー、ご飯。それぞれたらいのような容器に入っていて、下から炭火で温めている。
味的にはまあ普通といったところ。牛肉にちょっと臭みあるのが気になるが、相変わらずショウガを効かせた料理が多く、売ってないのが謎だ(後日この味はショウガではなくてメースなのでは、という説も浮上)。ここで面白かったのはprovisionsで、赤いバナナがあったのは珍しいし、芋なのだけど水っぽくて大根みたいなものも不思議な味わい。
デザート数種類あったがカイエンヌアイスとチョコレートケーキを選択。
カイエンヌアイスはねっとり甘くてバニラの香りが豊か。まあ普通のアイスだな、と思って飲み込むと喉越しに強力が刺激が。こいつは辛い。
チョコレートケーキは確かこのプランテーションのカカオを使っているのではなかったか。濃厚でけっこう美味い。質感はもっちりしてかるかんに近い。タピオカを使っているのかな。
こういうところにしては料理の・価格ともに妥当なところ。北部で安心してお昼が食べられるという点では貴重な存在だ。周りの景色や木に来る鳥やトカゲを眺めつつ、ゆったりしたサービスを楽しめる余裕をもって訪れたい。