Rickie Lee JonesのギグがTown Hallであるらしい。だがMadeleine Peyrouxという知らない人とセットだ。リッキーはCity Wineryで二度観ているのでどうするかな、と思ったが冬場はイベントも少ないしまあ行ってみようということになった。
少し逡巡したのでチケットを取ろうと思った頃にはだいぶ売れている。Town Hallは二階席が前に張り出しているのでLogeを狙ったら壁を挟んだ両側のボックスに一席ずつ空きがあるのでゲット。
Zest Szechuanで食事後、早く着くと寒いのでゆっくり目に会場に着いたらまだ客が入っていってるところだった。席について一段落したらもうMadeleine Peyrouxがステージに現れた。
スーツ姿の男二人はギターとベース。一応予習はしていたのでジャズを歌う人だというのはわかっていたが、まあ予想通り。kameでさえなんとなく聞いたことがあるようなスタンダードなジャズナンバーが主体だ。
と思いきや、" ... the boys all go to hell and then the Cubans hit the floor" でああっ、Tom Waitsじゃないか。アレンジをうんと変えてきているのでここまで気がつかなかった。
「私がやるのは暗い曲ばかり」「歌うのはラブソング、ブルーな歌、それと酒の歌」と言い、「これは民主党に捧げる」と I Ain’t Got Nobody を Nobody cares for me except New York and LA、間の人たちが care してくれたら、なんて具合に少し替え歌にして歌う。トランプ当選は本当に大打撃で、まだ傷を舐め合っている段階なのだな。この時代を経験したアメリカの人たちが今後どんな時代を作っていくのか。
「これが一番明るい曲」と言って演奏したのがビートルズのGetting Betterなのだけど、It can't get no worseというコーラスで客席から苦笑が漏れる。
途中ぴったり息のあったギターとベースが退き、Madeleine Peyrouxが一人でギターを弾きながら歌うのだが、これがけっこう上手で感心した。
前座かと思ってたけど、3人がステージを去ったのは9時半。しっかり見応えがあった。
幕間にステージのセッテングがる。どういう編成なのかと思ったが左手にパーカッションの山が見える。最初はこのパーカッション男とギター男が二人でインストの曲を演奏するのだが、このパーカッション男がすごい。腕が何本あるのかと思うほどの活躍ぶり。もう一方のギター男ははっきり言ってほとんどサウンドに貢献してない。縁故採用だろうか。
リッキーはTown Hallで演奏できて嬉しい、と本当に嬉しそうだが、例によって扱いが難しそうだ。確か一曲目の後でギターを置いてローディーを呼ぶので何かと思ったらチューニングさせた。「チューニング嫌いなのよね」とか言いながら。
序盤はそのままアコギを弾いてYoung Blood、Last Chance Texaco、Chuck E.'s in Loveといったところ。
ピアノに移ってWe Belong Together、Living It Upの後になんとThe MagazineからGravity。弾き終わってから「この時のツアーで幻覚を見るようになった」から東海岸でGravityを演るのは初めて、と言っていた。
エレキで数曲、最後にLove Is Gonna Bring Us Back Alive。Madeleine Peyrouxとバンドと一緒にジャズの曲を一曲歌っておしまい。
Rickie Lee Jones & Madeleine Peyroux
当日のセットリストはSetlist.fmに上がってないが、昨日のNJのギグのは上がっている。それによるとリッキーが先に出たので順番は交代で出ているようだ。このツアーはモントリオールから始まって東海岸を南下、フロリダからテキサス、西海岸、そしてまた北と本当に全米一周。元気にやってもらいたいものだ。