評価:4/5点
Ditmars Blvd駅近くのTrattoria L'incontroはグリーンポイントに住んでいた頃からブックマークしていた店だ。ということは少なくとも3年前から気になっていたけど未踏の地だった。
あいにくの天気だがRoosevelt Islandに八重桜を見に行き、Astoria Park経由でDitmarsへ。
店に入ると思ったより広く、水曜日の7時前なのに客が結構入っている。しかもネクタイをしたおっさんの一団がいたり、それなりにお洒落をした客が多くなんとなくハイソな雰囲気。予想していたのはもっとローカルな古き良きイタリアンだったのだが、これは地元の名店という感じだ。
メニューは予習してあったが、ウエイターから本日のスペシャルを教わったらすぐに全部スペシャルで行こう、という結論に達した。覚えていないが15種類ぐらいあっただろうか。ほかにも色々と気になる料理があったがウエイターの訛りが強く100%は聞き取れない。
パンはどうやらピザの生地を焼いたものらしい。付属のドライトマトとニンニクのペーストが激しく美味いので期待が高まる。
ワインリストはなんとiPad。ボトルの種類は多いのかもしれないがグラスはそうでもなく、ハーフボトルはさらに少ない。イタリアンの店ではイタリアのワインを選ぶのが定石なのでVermentino Poggio Al Tesoro "Solosole"とNero D'Avola Donnafugata "Sedara"を選択。いずれもいいが特にVermentinoが美味。
Vermentino Poggio Al Tesoro 'Solosole'(左)、Nero D'Avola Donnafugata 'Sedara'(右)
前菜に選んだズッキーニの花のフライはフォンティナチーズが詰めてあってクリーミー。ズッキーニのほのかな苦味とレモンの酸味が白ワインによく合う。
この店のパスタはすべて自家製だそうなのでパスタを一つ。スペシャルに行者ニンニクのスパゲッティというものが聞こえたので迷わず選択。
麺はスパゲッティとはいうものの太めでむっちりしているのでこれはほぼpiciだな。ニンニク、少量のクリーム、パルミジャーノチップとソテーした行者ニンニクがたっぷり合わせてある。テーブルでパルミジャーノを追加してくれるのだが放っておくとどっさりかけられるので要注意。この店なら本物のパルミジャーノだろうが。
豚のローストはフォークで突くとホロリと崩れるほど柔らかい。パリッとした皮も美味。ソースは煮詰めたワインとニンニクに栗が加えてある。うまい。
コントルノも付属。シンプルなブロッコリーニとジャガイモだがきちんとしている。
気がつくと広い店内はほぼ満席になり、入口近くで待っている人もいる。悪いがデザートにも行かずにはいられない。
ピスタチオのクレームブリュレなんて美味そうじゃないか、と思ったけどあまりピスタチオの味がしない。ここはゴロゴロ入れておいてもらいたいところだ。
パンナコッタもきちんとしている。甘酸っぱいソースがよく合う。
もちろんエスプレッソも本物。
これはなかなかの名店だ。Ditmars付近の伝統派イタリアンとしてはPiccola Veneziaと双璧というべきだろう。季節に応じてスペシャルが変わるだろうから、秋口あたりにまた来てみたい。