メリダから日帰りできる遺跡を探していたらイサマルという街が浮上した。マヤ時代の町の上にスペイン時代の町が作られ、現代に至っているという。普通の街の中にピラミッドがあるなんて魅力的ではないか。
イサマル行きのバスは例によってADOの時刻表には出ていない。TAME(ローカルバスターミナル)の窓口で訊くと違うターミナルだという。そういえば地図にOrienteターミナルがもう1か所出ていたな、と東へてくてく歩く。東の方に行くバスがメリダの東側から発着するのは理に適ってはいる。
バスターミナルへは商業地帯を通るので賑やか。目的地のバスターミナルはちょっと古風な建物で一昔前の旅の雰囲気が味わえる。しかし窓口で訊くとバスは50分後までない。地図によると近くにイサマル行きcolectivo乗り場があるのでそちらへ向かう。
このへんにあるはず、とずらっと並んだcolectivoを一台ずつチェックすると一番前にIzamalと書かれた車があった。すぐ側の切符売り場でトークンを購入し、発車前に運転手に渡すという仕組みだ。なるほど、運転手はこのトークンを換金するのか、日銀券とちがって座席数と運行回数の上限があるから偽札はペイしないな、などと話しながら発車を待つ。前の席の赤ちゃんが不思議そうな顔してこっち見てるのでしばらく変顔で相手をするけどなかなか飽きてくれない。
1時間ほどでイサマル到着。本当に黄色い街だ。メリダが「白い町」と言われているわりに全然白くないので期待してなかった分実に壮観。すぐに道端で寝ている犬がいたのも田舎町らしくて好感度アップ。
観光案内所で地図をもらうと予想以上に遺跡がたくさんある。狭い街だからどこも歩いてすぐよ、と係員。
市場を覗くと小さいけど活気があっていいところだ。気になる食堂もある。
Convento Franciscano San Antonio de Padua
まずは広場のすぐ東にある修道院、Convento Franciscano San Antonio de Paduaへ。小高い丘の上にある壮大な伽藍、というのかな、大きな回廊には現地人がデートに来て涼んでる。周囲がよく見えてすぐそこにもピラミッドがあるのがわかる。
Convento Franciscano San Antonio de Padua
中はたいしたことないけど一応5ペソの展示を見る。ローマ法王が来たのが自慢らしい。
Convento Franciscano San Antonio de Padua
Convento Franciscano San Antonio de Padua 絵馬?
外に出てココナツアイス。さっぱりしてfior di latte風。
次はイサマル最大のピラミッド、Kinich Kakmoへ。高さはたいしたことないが広さは巨大でここも眺めがいい。町の外は広大な荒野が広がってるのがわかる。
街中にマヤの伝説の説明板と彫刻があってかわいい。
次のピラミッド、Izamatulへ。住宅地の中に当然のようにあるのが新鮮だ。すげーな、と思ってたらlulunがローマと同じね、という。確かにそうだけどそれを言うなら奈良もすごい。
もう一つピラミッド、Chaltun Haを見てお昼を食べに市場へ。
出遅れたのかもうだいぶ閉まっていて危うくランチ難民化するところだった。辛うじてソペをゲット。広場のベンチで食べる。
広場にはテントが出て小規模なイベントがあるようだ。イサマルの紋章付きのテントもある。
紋章にはピラミッド、雨、ロープがあしらわれているがそういえばサボテンから作るロープは19世紀には主要産業だったはず。
バスはしばらくないのでまたcolectiveでメリダへ。午後なのでみんな眠いのか車内は静かだ。それとも落ち着いたイサマルの街の雰囲気が感染したのだろうか。