評価:3/5点
lulunとkameの旅のスタイルだと普通の食堂みたいなところでしか食事をしない。わざわざシンガポールから合流してくれた友もいるし、一度ぐらいはちゃんとしたレストランで食べてやろうか、とTripAdvisorで近場を探したらHoa Tucが目に留まった。
昔アヘンの精製工場があったという路地奥のコロニアルな建物。近づいてみると外の席には誰もおらず、ガラスで覆われていている店内に客が見える。おおっ、ということはエアコン?と感動する自分がちょっとおかしい。でも空調のある店なんて今回の旅で初めて。
店内はさすがに高級感があってお洒落。手書きの壁も素敵だ。客は外人ばかり、しかもフランス語を喋る人々が多い。
当然ビール。メニューを見ると高級店だけあって(?)見慣れないビールがあるではないか。ZorokとHudaという東欧っぽいネーミングはソビエト時代の技術供与の名残だろうか。Hudaはほかのベトナムビールとさほど変わらないが、Zorokは甘みがあって欧州的、ポーランドあたりの雰囲気がある。
メニューはなかなか充実しているので選ぶのがけっこう大変。花のサラダが二種類あって迷ったが、ええいと両方注文した。人数が多いとこういうことができる。
一つはカニ入りで花が一種類、もう一つは4種の花と貝のサラダ。花はほろ苦くてなかなか良い食材で、控えめな味付けは素材を生かしてる印象だが、タレの味が淡くてやや平板。もう一捻りほしいところだ。
前菜の盛り合わせ(生春巻き、揚げ春巻き、さつま揚げ、れんこんサラダ)もわりと普通。
豚の角煮も想定の範囲内。ココナツ水を使っているのでほんのり甘い香りがするのがベトナム的なところか。
スズキのグリルは五香粉の香りがする。アボカドとマンゴーのサルサというのは魅力的だったが、今ひとつインパクトがなくアイデア倒れの感がある。
どの料理も丁寧に作っている感じはあるし、無化調というのも売りらしいのだが、高い割にはシェフの腕にきらりと光るものがないという印象だ。思わず唸るような本当に美味い店だってどこかに存在しているはずだが、そっちを探すよりは普通の食堂を10軒回って汗を流しながら食べたほうがいいな。