ボーヌ:Ma Cuisine

評価:4/5点4 stars

夜に大事な用事が控えていたのでボーヌでのお昼は軽く済ませる必要があった。そうは言ってもせっかくのブルゴーニュなのでサンドイッチというわけにはいかない。ちゃんと予習して狙ったのがこのMa Cuisine。

Ma CuisineMa Cuisine

Place Carnotから入った路地にある小さな店だが、実はNYタイムズで紹介されたりしているせいかネット上で英語でのレビューが多く見られる。cityvox.frでは観光客が多いという声が見られるのもそのためだろうか。一抹の不安はあったが訪れてみることにした。

午前中に店の前を通ったら幸い開店の準備をしている。やれやれ、ようやく第一候補の店が開いてそうだぞ、と一安心。12時を回った頃に行ってみると先客はいるもののだいぶ席は空いている。壁に張り出しているメニューを眺め、またもや鴨のマグレと控え目に牛のカルパッチョを選択。

Ma CuisineのワインリストMa Cuisineのワインリスト

ワインリストは非常に充実している。店の隣がセラーになっていてそっちから持ってくるようだ。ワインはグラスでIrancyとBeaune "Clos du rois", Rhone "Clos de Grives"を注文。Irancyは色が薄めで軽い赤。"Clos du rois"はしっかりめ、チーズの時に頼んだ"Clos de Grives"はさらにしっかりボディがありチーズに合う。ローヌの赤はわりと好みかもしれない。

Ma Cuisine, magret de canardMagret de canard 鴨のマグレ

鴨のマグレはわりとよく火が通った状態で登場。柔らかく形容しがたい味の良さがある。ニンニクとキノコとの相性も良く、付け合わせのラタトゥイユもジャガイモもうまい。ただ焼いたようにしか見えないのだが、一見普通に見えて驚きが隠されている。極めてうまい。

Ma Cuisine, carpaccio de beouf 牛のカルパッチョCarpaccio de beouf 牛のカルパッチョ

牛のカルパッチョも良くまとまっていてうまい。オリーブオイル、鰹節のように削ったパルミジャーノ、レモンとケッパーという組み合わせがとても良い。これも自宅で真似できそうだ。白ワインの方が合うかな。

幸い思ったよりも量が少ないので「やった!」と思い(なんとも不幸にして屈折した喜び)、lulunはチーズへと邁進する。

Ma Cuisine, plateau de fromagesPlateau de fromages チーズの盛り合わせ

今ひとつ定かではないが上から反時計回りにbrillat-savarin、reblochon、 不明の青カビ、époisse、comtéのようだ。いずれも地元ブルゴーニュのチーズで、どれもおいしい。カビ系はわりと苦手なkameも大丈夫。

評判通りおいしい店だ。Stéphane Derbordさえなければ迷わず5点を出すところだが、先に滑るスケート選手のように損をしている。ただおいしいだけでなくシェフのきらりと光るセンスが見え隠れしていて、小さな驚きを経験できる。それでいて雰囲気も気楽だし偉そうに構えていないところに好感が持てる。機会があったらぜひ万全のコンディションで思いっきり食べてみたい。


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