評価：3/5

L'Opéra Bouffe はジュネーブでちょっとした「お食事」がしたいときや、まともなフレンチが食べたいときに利用するレストランだ。カジュアルで、一カ月おきに変わるメニューの中にはいろいろと驚きがあり、お気に入りのシェフの店の一つである。

明日は日本に向けて発つのでジュネーブ最後の晩餐になるとともに、ちょうど結婚記念日だったので（いつもは忘れてしまっていて何もしないんだけどね。今年は奇跡的に覚えていた）事前に予約しておいた。

L'Opéra Bouffe

今回のメニュー

DardagnyのAligoté

DardagnyのAligoté は昔からよく飲んでいたおなじみのワインだ。懐かしさから選択。フルーティーで軽いスイスらしい白ワイン。

Asperges vertes grillées et beurre fondu 焼きアスパラガス溶かしバター

lulun は旬のもので攻めようと、前菜はアスパラガスにした。焼いたものは歯ごたえがなくなりすぎてアスパラガスのよさが半減してしまったようで少し寂しい。

Roulades d'aubergines, mozzarella et Parme au basilic 茄子、ハムとモツァレラとバジル巻き

kame が選んだ茄子、ハムとモツァレラとバジル巻きはなかなか凝ったものだった。焼きナスの薄切りとハムとモツァレラの組み合わせがよかったし、トマトソースにもあっていて参考になる一品だった。ただし、トマトソースのできは凡庸かも。トマトソースにはちょっと厳しいので。。。

メインはというと、西アジアの香りのあるものか、ステーキ系のつまらないものだったのが残念だった。

　Courgettes rondes farcies au hachis de boeuf épicé à l'orientale 丸ズッキーニの肉詰め、中東風

lulun が選んズッキーニを使ったメインは人気があるようで、まわりのテーブルを見渡すとこのズッキーニが運ばれているテーブルが多かった。中につめられている肉はトルコあたりの香辛料使いをしていて、なるほどオリエンタル風であった。

Emincé de poulet Tandoori et ananas rôti タンドーリチキンと焼きパイナップルのカレー

kame は「このパイナップルの甘味がマッチしている」と驚きの発言。酢豚のパイナップルや lulun の昔の得意料理フルーツカレーは断固拒否していたくせに。あれはやはり食わず嫌いだったのか。。。

メインはどちらとも、オリエンタル方向に頑張って入るようで、そちらの食事に馴染みがない人には面白いものだろう。でも、フレンチを食べにきた lulun と kame にとっては納得できない。海外で食べる日本食のレベルが所詮知れているように、フレンチレストランで出るオリエンタルな料理も感動を得ることはないのだ。

かつて、パリでよく行っていたレストラン L'O à la Bouche のシェフ Franck Paquier がやはりアジアっぽい方向に染まっているときがあったが、そこではあくまでも料理はフレンチで、その中でうまく醤油を取り入れていてなるほどと思わせるものがあった。

Soupe glacée à la rhubarbe, quelque fraises et sorbet fraises de bois ルーバーブと苺の冷たいスープと苺のシャーベット

lulun はまたまた旬のものということで、ルーバーブスープのデザートを注文。さっぱりしていて、こんなルーバーブ使いがあったんだと勉強になった。食べながら、ジュネーブで手に入る牛乳やクリーム、イチゴで自分でアイスクリームを作ってみたい！アイスクリームだけなく、各種デザートを。日本で作っているのとは違う味に仕上がるだろうな。

Tarte Tatin et crème de Gryuère タルトタタンのグリエールクリーム添え

この店の定番デザートであるタルトタタンはやはりはずせない。リンゴがごろんと載っていて、ほかで食べるタルトタタンとは違う。グリエールクリームが食べられるのも嬉しい。さすがに、日本にクリームを買って帰るわけにはいかないからね。

コメントが厳しいのは、決しておいしくなかったからではない。数日前に Stéphane Derbord で桁違いのフランス料理を食べたばかりだし、食べる方の胃が疲れていたので不利だったかも。加えて、今まで常に驚きがあったのが、今回はオリエンタル風ということで驚きがなかったのが残念なだけなのだ。とはいえ、ここのシェフが研究熱心なことはよくわかる。lulun も、もっといろいろな料理に励まなければ。