評価:5/5点
今回の宿、The Inn at Lost Creekには9545というレストランが付属している。標高9545フィート、ということらしいが覚えにくいネーミングだ。ふうん、ホテルのレストランね、ぐらいにしか考えていなかったが、運転手が絶賛していたので一度食べてみようということになった。Mountain Villageではあまり思わしい選択肢はなかったし、着込まないで食事ができるのはありがたい。
ところが冬のシーズンは12月17日からの営業だという。え?それって帰る日じゃ?と一瞬思ったが、幸い帰る前日だ。クリスマス前の週末にようやく開業というのだから、やはり景気が悪いのかそれとも雪が少ないためか。両方か。
6時30分、満を持して最後の晩餐のために9545へ。客はいないが、店員の様子だとけっこう予約が入っていそうだ。かなり覚束ない新入りらしいねえちゃんが一人いるが、あとの店員はフレンドリーかつきちんとしていて気持ちが良い。
メニューは「テルライドより南」、テキサスやルイジアナ、メキシコ、カリブ海から南米までのフュージョンということらしい。以前はもっと普通のアメリカンだったようだが、最近シェフがプエルトリコ人になったということだ。この傾向は大歓迎。
気になる料理は色々あるのだが、やはりステーキとスペアリブは譲れない。ワインはハーフボトルがないのでグラスでSonomaのCabernet SauvignonとチリのCarmenere。カベルネはしっかりしたボディで渋みが優っていて肉に合いそう。カルメネールは甘みとコクがある。どっちもおいしい。我々のチョイスも良いのだが、これでさらに期待が高まる。
まずはパン。セモリナ入りのパンとアレパ、いずれもおいしい。バターはサボテン入り。lulunによるとやや甘みがあってピメントの味がするそうだ。
9545 Pork Spare Ribs with Papaya Salsa, Grilled Portobello Mushroom, Chirozo Black Beans, 9545 Rice Pilaf
スペアリブはFat Alley BBQとは全く別物。あちらは素朴で野趣に富んだおいしさだが、こちらは洗練されてパパイヤのサルサなんかが乗ってくる。ロースとしてあるだけのようなのに、軟骨まで柔らかくてジューシー。トマティージョやピメントの青っぽいさっぱり感とパパイヤの甘みが奥行きを演出している。付け合せには豆とご飯が付属してくる。これがまたうまい。豆は辛くてご飯は酸味があって解析不能だが良い出来だ。
さらに野菜の付け合せを選択できるが、生野菜が食べたいlulunはシーザーサラダを選択。
Skirt Steak, Grilled Portobello Mushroom, Chirozo Black Beans, 9545 Rice Pilaf
kameが選んだステーキは塩とスパイスで焼いただけのシンプルなもの。だがこれがうまい。けっこう辛くて言ってみればジャマイカ風。付け合せのPortobello Mushroomはこれまたシンプルで焼いただけだが、椎茸とマッシュルームも中間ぐらいの味でこれまたよろしい。lulunお得意の肉詰め焼きに使うと良さそうだ。
これですでに満腹なのだが、デザートがまた魅力的。クレームブリュレや、オレオに衣をつけて揚げたパフェなどもあるのだが、自家製のココナツアイスに負けてマカダミアナッツクッキーとアイス、揚バナナとホイップクリームに決定。味的には想像の範囲内で驚きはない。うまいのは確かだが。もう苦しい。
Macadamia Nut Cookie Sundae with Coconut Ice Cream, Whipped Cream and Tempura Bananas
期待以上の成果で大満足。最後の晩まで待った甲斐があった。お値段もチップ込で100ドルと場所と内容を考えると良心的と言っていい。また機会があったら是非シェフが替わる前に行きたい。今度は鴨を食べてやろう。
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コメント
ワインの銘柄
ワインリストがオンラインにないので、おいしかったけど飲んだワインの正確な名称が分からない。問い合わせてみたらカベルネはSonoma Junction 2008、カルメネールはVentisquero 2008 Reserveだということが判明。ちゃんと対応してくれるところが嬉しい。ますます気に入ったぞ。