Montréal 近郊:9日目

8月29日(日)最終日。Montréal から NY に移動

昨夜、朝食を7時半に持ってくるようにお願いしたら、7時半の枠がいっぱいで7時に。コーヒーを入れるキャパの問題なのだろうか?お陰でのんびり準備ができた。

乗るのは Montréal 中央駅 9:30発ニューヨーク行きの電車。8時40分に駅に着いたら NY 行きのゲートの前には既に20人以上の列が。みんな早い!我々と違って自転車を畳んで袋に入れる作業もないのに。

Montréal 中央駅 Montréal 中央駅

ゲートの近くに行くと我々の姿を見た駅員が「自転車は駄目だ」とすぐさま注意。折り畳みでちゃんと袋に入れると聞いた途端に、よしよしという態度に変わる。NYの駅員と違ってちゃんと分かっているし、対応が早い。入り口近くで作業して袋に入れた後、kame は列に並びに行き、lulun はそのまま荷物の番をしながら待機。重い荷物を持っての移動は少しでも短くしたいのだ。

写真手前に写っている黒い大きな袋(73x78x48cm)が、チャリ袋(輪行袋)。最初はスイス時代から愛用している輪行袋を使おうとしたが、普通の自転車用なので大き過ぎる。持って歩きにくいし、預け入れるなんて言語道断のぶかぶかさ。そこで、旅行前に輪行袋を外から縛るバンドを探してディスカウント屋をさまよってみたものの、適当なのが見つからない。最後の望みを託したディスカウント屋にもなく困ったなと思いながら視線を上げると、天井から釣り下がっている馬鹿でかいバッグが眼に飛び込んできた。通常だったら、こんなバック誰が使うのって笑ってしまいそうな代物だけど、もしかしたらいけるかも。10ドルもしない。駄目だったときは、ミニ布団袋として使える。しばらく検討していた lulun は、手のひらでサイズを測って確認してから取り敢えず1つ買ってみることに。自転車を折り畳んで入れてみると、まるであつらえたような最適サイズ。バンドで縛るよりもずっと持ちやすい。難点は、生地が分厚いのでかさばって重いことだけ。翌日もう1台分も購入して、折り畳み自転車用の輪行袋の手配完了。

荷物番をしている lulun に駅員の一人が、「次に自転車を買うときは折り畳みにしようと考えているんだけど...」と話しかけてきて、しばし折り畳み自転車談義。モントリオールっ子は自転車好きなんだな。しばらくすると、大きな荷物を見た別の駅員が、この先は階段だから赤帽さん(この表現古過ぎ?)を手配しようかと聞いてきてくれる。自分で運べると答えると、階段が30段あるけど本当に大丈夫かと確認してくる。NY よりもモントリオールの方が何倍もちゃんとしていると実感。そして、当然ながらスムーズに乗車。

AMTRAK 車内 AMTRAK 車内

席は飛行機のビジネスクラス並みにゆったりしている。席の上の荷物棚がとても大きく大抵のものなら入ってしまう。車内も含め駅では WiFi が入るので通信できるけれど、発車してしまったらできなくなるのは寂しい。席にはちゃんと電源が来ている。こちらは今時の需要にあわせて後から取り付けましたという感じで線が引いてあった。席でビールが飲めるのも嬉しい(食堂車で販売している。飲まなかったけど)。バスは車内でのアルコールは禁止だ。

指定席ではないものの車両は指定で、席の数しか売らないので確実に席は確保できるしくみ。切符には乗客名が入っていて、裏にサインをするようになっているのがちょっと珍しかった。サインのしてある切符は係員が回収する。

ほぼ定刻に出発。住宅地の中は徐行運転。新幹線並みのスピードは無理として、新快並に走ってくれたら NY までもっと早く着くのに。11時間もかけなくても。

Canal de la Rive Sud Canal de la Rive Sud

Victoria 橋を渡って St. Laurent 川を超えるルートで、橋の途中で道路と線路が分岐している。電車は、まさに昨日サイクリングのときに橋が上がるのを見たCanal de la Rive Sud の鉄道橋を渡る。「あっ、ここ!」とテンションが上がる。

アメリカ側の税関 アメリカ側の税関

カナダの税関を過ぎたところで、停車してアメリカの出入国審査。係員が車両に乗り込んでトイレなどに隠れている人がいないか確認してから、手続き開始。さすがにポータブルのパスポートの読み取り機械は持っていない。一人ずつ細かく質問(カップルにはどういう知り合いなのかとか、旅程とか)しながら出入国審査と税関チェックを同時に行う。手作業だけで済まない人には食堂車に行くように指示をしていた。食堂車に指紋や写真を撮る機械があるのだろうか?その際に6ドルかかるようなことを言っていた。指紋を強制的に採られてお金まで払わされるのだからたいしたシステムだ。12時05分に発車。1時間かからなかったのは驚き。税関を過ぎたところにアメリカ側の最初の駅 Rouses Point 駅があった。

サーモンパイ サーモンパイ

お昼ご飯のメインは、前日にマーケットで仕入れた Les Sucreries de l'Érable のサーモンパイ。昨日買ってすぐに食べたらもっと美味しかっただろうな。仕方あるまい。モントリオールの水はあまり美味しくないので、滞在中は普通のミネラルをーターに加えて、プチ贅沢でバドワ(仏のガス入り水)を買っていて、その残りが車内飲料水。

甘いパン 甘いパン

Les Surcreries de l'Érable の隣のパン屋さんで買ったパンは、お酒がたっぷり入った甘いパン。うまい!これが NY に売っていたら時々買いに行きたい。その他、ベトナムサンドイッチ屋 VUA で買ったものなど手持ちの食料でなんとか過ごした。食堂車内には売店があり、買ってきて席で食べる人の様子をうかがっていると予想通りマズそう。冷凍ピザやカップヌードルなど、ジャンクだ。

Albany 駅 Albany 駅

川を渡った街の東側にある Albany 駅で1時間ほど停車するので、時間までに戻ってくれば車外に出ても良いというアナウンス。そこで、ちょっとお散歩。この駅で機関車の交換が行われていた。NY に近づくとシステムが変わるのだろうか?

駅のカフェは同じ AMTRAK でやってきたと思われる乗客が長い列を作ってサンドイッチなどを買っていた。毎日同じことが繰り返されるのかな。

駅でゲットした資料を眺めてしばし楽しむ。NY から1日半かけてニューオリンズまで行く電車があるんだ。2200キロだよ。

車窓からの夕焼け 車窓からの夕焼け

NY はモントリオールから見て南にある分、日が暮れるのが早い。まだ20時前なのにもうこんなに暗い。でも、お天気なお陰で、車窓からの綺麗な夕焼けを堪能(寝ていなかった lulun のみ)。

電車に乗っているだけの長い一日だった。無事に自転車旅行を終えることができてよかった。