評価：4/5点
せっかくアストリアに住むようになったのに、試したい店が増える一方で消化がなかなか進んでいない。その理由は引っ越し、旅行、さらにワールドカップと忙しい日々が続いたためだが、ようやく休止していた食事処開拓を再開することにした。
ちょうどSteinway図書館に行く用事があったので、Taverna Kycladesのすぐ近くにできたギリシャ料理屋、MP Tavernaを試してみることにした。あれはたしか火の丸ラーメンに行った時に発見したのだったが、有名店の目と鼻の先に乗り込んでくるんだから自信があるに違いない。あるいは待ち時間が長いKycladesのおこぼれ客を狙うつもりか？
店の雰囲気は落ち着いたバーという感じ。席についてメニューを見るといわゆるギリシャ料理屋とはだいぶ違う。レモンポテトがないとは想定外だ。品数も少ないのでやや萎えたが、気を取り直してディップ3種盛、タコのグリル、タラのフライ、それにミックスグリルを注文。ワインはハウスの白を0.5l。
テーブルに運ばれてくるパンは極めて普通だが、ディップに付属するピタはうまい。ギリシャ料理屋でピタが美味しくなければ失格だから、最初のハードルはクリア。この3種のディップが実はうまい。いずれも普通のレシピから一捻りしてあるようで、スモーキーな焼きナスと解析不能なスパイス配合のひよこ豆もさることながら、ギリシャヨーグルトにキュウリとニンニクを混ぜただけのような中央の白いディップがまたうまい。普通ならわりとどうでも良いものが美味のはなかなか衝撃的だ。
タコのグリルは香ばしくて柔らかく、美味くて当然といえば当然だが、付け合せのひよこ豆のサラダとタプナードとの組み合わせもとても良い。やっぱりこの店はレベルが高いのだ、とこの時点でよくわかった。
タラのフライはわりと普通。衣がクリスピーなはずなのだがしっとりしているのがやや残念。そのかわりというか付属のガーリックトーストが香ばしくてうまい。
このへんでワインがなくなったので今度はハウスの赤を0.5l。ワインもまあまあだ。
ミックスグリス（キプロス風ラムソーセージ、ギリシャ風ポークソーセージ、鶏、豚）
本命のミックスグリスはキプロス風ラムソーセージ、ギリシャ風ポークソーセージ、鶏、豚、それに薄切りポテトのフライ。添えてあるレモンも一緒に焼いてしまっているのが斬新だ。確かに香ばしいのだが肉類の味は普通。フライドポテトはスイートポテトも混ざっているのか、時折甘みもあってうまい。
満腹なので肉類は半分ほど持ち帰り。予想以上の実力だったのでなるほどKycladesの近くでもやって行けているのはわかる。たまにはこういう洗練されたギリシャ料理も悪くない。できればもう少しメニューを充実させて、肉類もスブラキやシェフタリアなども加えてほしいものだ。