評価:2/5点
ペンション備瀬崎に泊まるのは10年ぶりだ。当時元気だった爺さんは他界しており、拾ってきた三日目だったという猫もいない。東京から来て下宿している高校生と宿屋の犬にしては警戒心の強いミニダックスが家族に加わっていた。
夕食はなんと寿司コース。タイガース衣装を身につけた大将がテーブル端に立って寿司を握り、その間に厨房で作った料理を奥さんが運んでくるという流れだ。今夜の客は9名。
以前と同じで料理はとても美味。
特にアーサを衣にしたエビの天ぷらが最高だ。
スーミンチャンプルーはペペロンチーノ風に仕上げてある。これも美味。
握りも白身魚と青柳みたいな貝が特に美味。島らっきょうの巻きも良いではないか。
ウニは軍艦にすると海苔の香りが邪魔をする、と握りの上に載せて客の口まで運んで「あーん」と食べさせる。パフォーマンスという要素もあるが、崩壊ぎりぎりの柔らかさに握ったシャリとこれも溶け出しそうなウニが最高に美味い。
確かに料理は美味い。大将の喋りも初めのうちは質問に答えながら笑いを取るぐらいなのだが、徐々にエスカレートして説教調になってしまう。思想的には田舎のナショナリストというところでkameとは水と油なのは仕方ないとしても、客に楽しい思いをさせるのが仕事なのに料理が不味くなるようなものをエンターテイメントだと勘違いしているというのは始末に終えない。
デザートが出た後も時差ボケが理由にkame一行が引き上げるまでトークは続いた。その後ももう一組の若い客と一緒に話しているようだった。彼らは楽しかったのだろうか。
大将が自慢していたように夕食に寿司コースがデフォルトという宿はまずない。その分普通の沖縄料理があまり出なくなってしまったのも残念といえば残念だが仕方あるまい。文句無しに料理は美味いしのだがもう行こうと思えなくなってしまったのがとても残念。