別ブログに書いたレストランなどで食べたもの以外のドミニカの食物に関するものをまとめておくことに。
首都 Roseau の市場に行ったのは月曜日。一番賑わう土曜日ではないが、寂しいながらも土地の果物や野菜を売っているのが嬉しい。
店の人に聞いてみるとバナナはほとんどが調理用だとか。熟れた甘いバナナを生ではあまり食べないのだろうか。市場では、甘いバナナとマンゴー、アテモヤを購入。
バナナには感動がなかった。アテモヤは熟れ熟れで買ってよかったと幸せ気分に。
マンゴーは感動的。とにかく濃厚。濃いパッションのようなココナツマンゴーのような感じ。もしかしたら、マンゴーとココナツを組合せるという発想は、木で熟れた濃厚なマンゴーは少しココナツミルクのような香になると知っている人が、イマイチなマンゴーを美味しく食べるために絶妙の組み合わせとして考えたものではと思ってしまった。真相はいかに。
Soufrière Bay の先端にある Scotts Headへ行った時は、「マンゴーはいらないか」と監視だかガイドだかのお仕事をしているお兄さんや道端のおじさんに声をかけられた。生計を立てるための商売としてではなく、ちょっと手に入るからお小遣い稼ぎ的なやりとりなのか。余ったものを人にというのは物流の原点だ。
マンゴーの木はそこらじゅうにあり。実がゴロゴロと落ちていて、道端の鶏の餌になっているほど。自分たちでもちょっと熟れたのを拾うことができた。むせるほど濃厚で、マンゴーは存分に堪能できた。
ガイドのお兄さんが、マンゴーとは別に持っていたのがアーモンド。馴染みのあるアーモンドよりも細長い。日頃食べているのよりもおいしい。調べてみたら Tropical Amlond と呼ばれるアーモンドで、モモタマナ(コバテイシ)などと呼ばれて沖縄にもあるらしい。皮を剥くのが大変なんだと言っていた。
ナッツと言えば、もう一つ。バスで乗り合わせた町に商売に出かけるおばさんから、商品であるカシューナッツを購入した。もともとカシューナッツは好物だが、奇跡のような美味しさ。あまりにも感動したので、もう一度たべたいと思っている。土曜日の夕方にロソーに行くと会えるかもしれない(次回のために一応メモ)。
ナッツの外側の部分は毒があるらしく、取り出す作業が大変なのだろう。ドミニカにしてはお値段高めなのは仕方ないかもしれない。カシューナッツとともに売っていた自家製のバナナチップスを買わなかったことに少し後悔。カシューナッツおばちゃんに出会えた偶然に感謝。
食料調達に関しては、Soufrière に移動する前に、Roseau のスーパーで少々買い出しをした。ドミニカは 7年前のキューバに次ぐ田舎具合で、首都の一番大きなスーパー IGA の品揃えでさえ寂しい。ただし、バルバドスのスーパーと違いアメリカと同じものが並んでいないのはほっとする。IGA と言えばカナダのスーパーというイメージを持っていたけれど、どうやらシカゴが本拠地で、チェーンではなくフランチャイズ制をとってカナダや豪州を始め海外にも進出しているとか。
夕食(パン、豚肉の燻製、チーズ、レタスとトマトのサラダ)
このスーパーのデリコーナーは地元の人達に大人気。しかし、我々が買いたいのは食材。宿の近くでどれだけの買物ができるか不明なので何を買うか悩ましかった。暑いので生肉などは持っていくことができないとか、旅行中なので、さっさと作れるものだけにしたいなどの要望もある。
スーパーで購入したのは、パンを2種類、ベーコンと豚塊肉の燻製、チーズ、サラダになる葉っぱ、パン木の実のチップスという珍しい物も。そして、ビールを半ダース。
バターたっぷりの黄色い折パンは素朴なブリオッシュのよう。ちょっと高かった穀物入りのパンは、外国人向けに作られているような感じだ。
ところで、Soufrière の宿には広いお庭があり、そこになっているものは好きに食べてよいということだった。庭の様子をチェックして回ると、青いバナナ、グワバ、ライム、パッションフルーツ、青パパイヤ、椰子がなっている。
パイナップルやマンゴーはあるものの残念ながら実が付いていない。実は、庭にパイナップルがあるという情報があったので、なっているのではと期待して市場で買わなかっただけに庭を一回りして二人とも軽いショックを受けた。
家においてあったフルーツ(パパイヤ、カカオ、パイナップル)
後になって気がついたのだが、部屋に飾ってあるのかと思った小さなパイナップルが実は本物だった。オーナーさんが収穫しておいてくれたのだろう。ミニサイズなのでおもちゃのようだったのだ。食べてみると、もう少し熟れたほうがいいかなという感じだったけれど、香が強い。工場製品ではない食物の素晴らしさだ。
部屋に予めおいてくれてあったもののなかに、カカオがあった。カカオは、豆からチョコレートやココアを作るものだという知識しかなかったので最初は見向きもしていなかった。ところが、kame が読んでいたカリブの食べ物に関する本に、白いワタの部分を生で食べるという話が出てきて挑戦。なるほど感はあるけれど大して美味しいとも感じなかったが、なんとなく嫌いではない。
断面が少し茶色くなっていたので、古かったのかもしれない。新鮮なものを一度試してみたいものだ。なんと昔は貨幣の代わりになっていた種を捨てるなんて、贅沢な食べ方ではないか。なかなかできない経験だ。
パッションフルーツは木になっているものを採ると少し青臭くて、風で落ちたものを拾うとちょうど良いことがわかった。朝一番に拾わなければ、鳥や蟻に先を越されることも学んだ。
手持ちの生野菜が少ないので、バナナの花を4,5枚もらってサラダに。ナイフを刺しただけで汁があふれる。ニューヨークで買うことができるのがいかに干からびているかがわかる。その汁がベトベトでアクの強さが伺える。
刻んだら、ライム汁入の水につけてアク抜き。ナンプラーがないのが寂しいけれど、ライム、オリーブオイル、唐辛子、醤油、塩胡椒で味付け。新鮮で美味しい。
青パパイヤもサラダとして登場。採りたてで新鮮。やはり、あくが強い。
オイルとライム、塩胡椒、唐辛子で味見をするとなにか物足りない。kame のパッションフルーツを入れようと提案がナイスで、ちょっと甘さが加わってうまし。味をしめ、以降パッションはサラダにも使ったりした。(トマトは自宅の冷蔵庫に残っていたので NYから持ってきた。)
シュノーケルの疲労から kame が体調を崩して、夕方から寒気がすると言い出した日は、 ベーコンやスモーク豚とパパイヤをスープにして温かい夕食。肉のおかげでスープがほどよくでてやさしい味に。食後に一汗かいて、寒気も一段落。よかた。
青バナナ Plantain はとても食べきれないほどふんだんになっている。外食の際によく食べるけれど、実際に調理するのは初めて。
まず、皮が厚くて固くて、剥くのが大変。とりあえず調理してみても渋みを感じる。その後図書館から借りていたカリブの料理本に処理方法を発見。3つぐらいにカットしてから、縦に3箇所に切れ目を入れるという方法でやると簡単にむける。そして、カットしたものを15分ぐらい塩水にさらしてアク抜きから調理すると良いらしい。バナナ炒めはライムを絞っていただくと美味しくいただける。
滞在した村 Soufrière では、フライドチキンやフライドチキンや揚げパン Bake(プレーン、チーズ、魚入)のようなすぐに食べられるものを売っているお店が数軒。
フライドチキンは貴重な夕食のメインディッシュに。買ってきて並べれば良いので楽。
Bake3種類(タラ入り、マグロサンドとチーズサンド)、バナナ
Bake は素朴なおいしさ。
雑貨を含めなんでも扱っている商店があるが、そのお店においてあるナマモノは、インゲンとピメントのみ。最初に食事計画を立てようとするとクラクラしそうになった。もう一度、ロソーまで買い出しに行こうかという案も出たほど。 野菜や果物は自分で作って食べるもので買うものではないのかもしれない。もしくは、お互いにおすそ分けをしあうとかなのだろうか。それにしても、IGA で葉っぱを買っておいてよかった。生野菜に飢えるところだった。
西欧のものである乳製品はほとんどなく、あっても高い。牛は飼っているし、IGAには国産のチーズも売られていたが、あまり口にする習慣にはなっていないようだ。
パン屋(卵も売っていた)は看板を出して認識できる店のほか、看板などは何もない建物でも売っていたりする。看板などなくても村人は知っているからよいのだろう。Soufrière と Scotts Head どちらの村にも両タイプののパン屋があった。
村で買ったチキンバーガー
チキンバーガー
地元の人が普通に購入しているパンは、形やサイズは違えどもどれもチキンバーガーに使われているのと同じタイプ。IGA で買った穀物入りのものは、やはり高級パンだったのだ。
地元の人達はどういう暮らしをしているのか。地元の食生活が気になる。フルーツは庭になっているとして、野菜は芋以外あまり食べていないのだろうか(トウモロコシはもっと寒いところの食物だからこの地では食べないのだろうし)。
村には少しだけレストランがあるが、前を歩くとやっていない場合がほとんど。どうやら、開店時間が遅いようだ。少し早めに昼食を食べたいとか、夜は外出したくないという我々の要望に合致しなかった。一度くらいは食べてみたかったな。
驚いたこととしては、蟻はオリーブオイルにも寄ってくるということだ。容器の口のあたりにたかっていた。食物にはかなり気をつけていたものの、抜かりあり。
出発の朝に買ったものや持ってきたものすべてキレイに食べきった。これは旅の度に達成感がある。
ドミニカで最後に買ったお菓子ココナツチーズ。フェリー乗り場の売店をのぞくと、ローカル色の濃そうなお菓子が少しばかり置いてある。その一つココナツチーズという名前の甘いお菓子を買ってみる(売店の人がチーズじゃないけど、チーズっていう名前なのよと教えてくれた)。とにかく甘くザラザラとした食感。ココナツ味の柔らかい干菓子のようだった。