評価:4/5点
日頃は観光らしいことはあまりしないのだが、今回のウブドでは料理教室に行ってみることにした。インドネシア料理はよく食べるし自分でも作るが、とんでもない勘違いをしている可能性がないとはいえないではないか。
調べてみると料理教室は掃いて捨てるほどある。いくつか候補を挙げて最終的に選んだのはKetut's Balinese Cooking Classだった。
ここを選んだ理由は、
- バリ人のおっさんがやってる(外国人がやってる教室もある)
- 午前・午後のレッスンから選べる(レストランがやってるところは午前のみが多い)
- メニューの筆頭にBase Gedeが挙げてある
- 見るだけじゃなくて生徒が全部作る
- あまり遠くないし送迎付き
Base Gedeはバリ語、インドネシア語ではBumbu Baliといってバリ料理の基本となるスパイスペーストだ。これをきちんと教えてもらえるのはありがたい。場所はウブドの東側、Pejengkawanなのでスクーターで行ってもいいか、とも思ったけど雨になると嫌なので送迎を頼んだ。
午前のレッスンだと市場で買い出しするところから始まるのだけど、素材のことはけっこうわかってるつもりだし第一そんなことしてたら貴重な朝食を一回損するので午後のレッスンを選んだ。天気予報で一番雨になりそうなスロットを選んだということもある。
朝は曇だったけど果たして午前中から凄まじい雨。出かける頃には小降りになったけど途中の道路が浸水しているし雨宿りしていた人たちが一斉に動き出したので街中は渋滞。
教室は田んぼと住宅が混在するエリアで、車を降りるとオージーらしき家族連れがもう料理をしている。遅刻したかと思ったけどこちらは二人だけのグループに専任の先生が付くようだ。若い男で英語もなかなか達者。レッスンはエンターテインメントだと心得ており笑わせてくれる。
左上から時計回りに 鶏煮込みの材料、ミーゴレンの材料、ソトアヤムの材料、ピーナツソースの材料
まずは献立と素材の説明。料理ごとに素材がまとめてあるが、ここから先は生徒の仕事。
素材はほぼ馴染みのあるものものだがこのlesser galangalともwhite gingerともaromatic gingerとも呼ばれるやつは初めて実物を手にした。料理の本には出てくるがNYCでは手に入らない。しかし匂いをかいで一瞬で理解した。これはあのインドネシア煎餅の匂いだ。そうか、こいつだったのか。
基本調味料となるブンブ・バリは杵と臼で潰す。こんな大袈裟な道具を使うのか、と思ったけど本来ならもっといっぱい作るのだろう。冷蔵庫で二週間保存できるらしい。
フードバザールで目にする溶岩石でできたすり鉢ではサンバル・ウレクとピーナツソースを作る。ふむふむ、こんな感じで潰すのか。けっこういい感じで使えるが重いので洗うのが大変だな。先生のほかに助手が一人いて洗い物はどんどんしてくれる。
ピーナツソースを煮詰めているところ このぐらいスープを入れる
一つの作業が終わるとすぐ次の指示が出る。二人で分業できるし料理は得意なのでわりとどんどん進む。
出来上がったものはとりあえずそのまま放置。食べる前に温め直す。
ブンブ・バリは3種類の料理に使う。鶏のココナツ煮込み(Ayam Kalasan)とソトアヤム、ミーゴレンだ。なるほど何にでも入れるというのは本当らしい。
普通スープは鶏だがここの教室ではスープは野菜のストックを使う。ベジタリアンの生徒が来るからだそうだけどちょっと残念。バリの鶏のスープは美味しそう。
チャングでも食べたPepes Ikanは定番料理だが、こいつを作らせてもらえたのは嬉しい。マリネしたマグロに香味野菜を加え、バナナの葉で巻いて炭火で焼く。
サテもだが焼く作業は少し離れたところでスタッフがやってくれた。せめて焼くところを見たかったところだ。
デザートは残念ながら黒米粥からバナナのパームシュガー煮に変更になっていた。ちょっと残念だけどこれはサツマイモやほかの果物にも応用が効くので教わって損はない。
ここでは熟れていない甘いバナナを使ったが、熟れたバナナなら3分煮るだけでいいらしい。そういえば甘くないタイプのバナナの料理を見た記憶がないけど食べないのだろうか。
スケジュールでは午後3時から7時となっていたのだけど2時間弱で完成。あまりお腹が空いていないのがちょっと残念だが、我ながらまるで本物でお味もなかなかだ。
デザートは爽やかなアイス付き。
目まぐるしく働いたけどとても楽しく勉強になった。レシピももらったしあとはエルムハーストに買い出しに行けばいつでもちゃんとしたバリ料理が作れるはず。個人的にはブンブ・バリのレシピは改善の余地があると思うので、今度作る時は今までのレシピとこのへんを参考にしてみよう。