ウブドの宿に到着したとき、「今日はちょうど祭日で部屋の担当の人はお休みだ」と言いながらお知らせの紙を見せてくれた。それによると、明日11月11日に Kuningan というお祭りがあり、その日は完全にお休み。その前後の日も2時間だけ働くということらしい。そして、ちょうどこの10日前にも Galunganという祭日があり同じような休日シフトだったようだ。
そこで、wiki先生に尋ねてみた。Galungan(ガルンガン)はバリ・ヒンズーののお祭りで、今回の場合は11月1日にあたり、神様と先祖の霊がこの地に戻ってくる日だそうだ。つまり、バリ・ヒンズーの迎え盆。その10日後の Kuningan(クニンガン)が送り盆にあたるお祭りのようだ。210日周期のバリ・カレンダーで巡ってくる祭日なので、西暦に当てはめると7カ月おきにやってくることになり年に1、2回巡ってくる。ほかのヒンズー教では Diwali と呼ばれているものに相当するらしい。
このお盆のシンボルの一つが、道端に並ぶペンジョール。椰子の葉で飾った長い竹竿を道端に立てたもので、神様とご先祖様が迷わないようにとの目印となる役目を負っているらしい。ペンジョールの脇には、花が飾られ食べ物などのお供えを置く棚のようなものが設けられている。
チャングーに着いたときから、ペンジョールがどれも真新しいなと思っていたが Kuninganに合わせて新調されていたのか、納得。今までバリに来た時は、光と雨風にさらされていたものを見ていたから今回は目が驚いていた。新しいペンジョールが立ち並んでいるのは見ごたえがある。
立派なペンジョール
チャングーのペンジョール
お寺の近くを通ると正装してお参りに来たと思しき人達がたくさん目につく。お参りするのがお祭りの行事の一環なのか、お休みを利用してお参りに来ているかは定かではないが、好奇心がムクムクと沸いてくる。
これは期せずして良い時期に来たと喜んで、宿の事務所にお祭りの詳細を聞きに行く。マネージャーはヒンズー教徒ではないから知らないと言って(そんなものなのか)、ヒンズー教徒のスタッフに聞いてくれた。そしてすぐ近くの彼の村では明日11日に、6時半からお祭りのイベントが有るという情報を入手。
詳しいことはわからないが、きっとお寺であるに違いないと地図を見てここではないかと当たりをつけた。11日の夕方、そのお寺を目指して出発。御嶽のようなところがあるが、目指すお寺が見当たらない。地図の精度の悪さが問題なのか。ともかく静まり返っている。
さらに進んで、獣道に毛が生えたようなところを通ってたどり着いたのは、Penestananの中心地だった。お供えがたくさん並び、着飾った人たちが集っている。しかし、どこに行けばよいのかわからずメインストリートを歩いていると村のハズレにひっそりとしたお寺を発見。飾ってはあるものの、やはり静まり返っていて何かが違う。しかし、沿道では正装した人たちが家の前で何かを待っているようだし、とりあえず村の反対側を目指そうとしたところで、スコール。傘を持って出るのを忘れてしまった。ときどき雨宿りをしながら進むと、音を鳴らしながら何かを持っている人たちが。
近づいた途端に再び激しいスコール。軒下で雨宿りをして様子をうかがう。獅子舞のようなバロンにビニールシートをかぶせて、他の飾りもすべてビニール付きでゾロゾロとどこかに行ってしまったが、多くの村人はその場で待っているようなので雨宿りをしながら待機。
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PenestananのKuninganのお祭り
PenestananのKuninganのお祭り
雨の中、獅子舞が戻ってきた。女子供を中心に歌を歌いながら、獅子舞を歓迎。聖水のようなものを座っている人たちにかけて回ったりと儀式らしいことをやっている。。偶然雨宿りをしていた建物のところだったので、良い位置で見ることができた。細かいことはわからずに眺めただけのお祭りなのだけれど、知らない世界を覗き見る興奮を味わうことができた。
総じて、災い転じて福となす日だったかな。ただし、帰りも土砂降りにあったけれど、楽しければ全て良し。
ところで、バリではNyepi(ニュピ)という、火や電気を使わず断食をし、内省のために家にこもる静寂の日が西暦の3月頃にあるそうだ。ニュピとその前日にあるお祭りもいつかは経験したいと夢が膨らむ魅惑の島だ。