Teddy Thompson at Chez André

Tellurideに行っていた間、日頃読んでいるRSSフィードに突然Teddy Thompsonのギグ情報が現れた。突然というのはそのギグの日程が4日後だったからだ。East VillageのThe StandardというホテルのChez Andréというバーで無料、メールで申し込むのだという。すぐに「ホントですか」とメールを送ったら本当だという。2名まで行っていいというので早速お願いしておいた。

水, 2013-03-06 17:04 - Teddy ThompsonTeddy Thompson
Chez André

水曜日の晩、仕事の後にlulunと合流してXe Mayで軽く食事を済ませ、開場の7時ちょっと前にThe Standard前へ。10人ぐらいの行列ができているのでこれだろう、ととりあえず並ぶ。寒いのに何だろ、という通行人の視線を浴びながら待つことしばし。幸い7時過ぎにホテル脇のドアが開き、地下への階段を降りていくとこじんまりしたラウンジという雰囲気の空間があった。

ステージ正面には何も置いていないが(ダンスフロアなのだろう)、斜め前にはテーブルと椅子、そのさらに脇にはソファが置いてある。もちろん一番前のテーブルを確保。

バーでビールを買って待つことしばし。けっこう客は入っていてみんな御行儀よく楽しそうに談笑していて好ましい。年齢層は30代ぐらいが主体でもっと上の世代もけっこういる。そうか、若いヒップスターがいないのがいいのか。

ステージにはドラムセット、ギターアンプ、ベースアンプ、マイクスタンド2本が置いてある。TTと書いたエフェクトボードとケースに入った白いテレキャス(City Wineryで弾いていたやつだ)も見える。機材からするとトリオだな、ということはPoundcakeの面々が実はバックバンドで、遊びでカバーだけをやる時にPoundcakeを名乗るのか?などと詮索していたが、よく見るとドラムセットにはシンバルがセットされてないしベースアンプの前にマイクスタンドがない。やっぱりソロでやるようだ。

8時過ぎに突如客席の方からテディが現れてステージに立つ。主催者らしいおばさんが簡単にテディを紹介して「演奏中はお静かに」と言ったのは多分テディからの要求だ。これも好ましい。

水, 2013-03-06 18:02 - Teddy ThompsonTeddy Thompson
Teddy Thompson

アコギ一本と歌だけなのでテディの声が実によく聞こえる。3mと離れていないのでナマの音も混ざって聞こえてくるなんて贅沢だ。曲目はI Feel、The One I Can't Have、Looking for a Girl、In My Arms、Homeといった代表作をほぼ網羅していたがDelilahをやってくれなかったのはちょっと残念。イントロを間違えたり、Looking for a Girlの歌詞を一部忘れたりという緩さは相変わらず。喋りのシニカルなユーモアも健在だ。

水, 2013-03-06 18:18 - Teddy ThompsonTeddy Thompson
足元のエフェクトボードとアンチョコ

途中、ロンドンから着いたばかりの妹Kamilaと夫が開場に現れ、その夫Jamesが飛び入りでギターを演奏。「お前が来るからエレキも持ってきた」というのは本当らしく結局テレキャスが使われたのは一曲だけ。「カントリーの曲でキーはD」と言ってテディは足元のアンチョコを見ながら歌う。ジェームスはボリュームペダルを駆使してペダル・スチールっぽく合わせてくる。なかなかいいじゃないか。Kamilaに「歌う?」と訊いたら断られていたはちょっと残念。リチャードとリンダの息子と娘のデュエットなんて素敵なのに。

水, 2013-03-06 18:23 - Teddy Thompsonと妹Kamilaの夫JamesTeddy Thompsonと妹Kamilaの夫James
Teddy Thompsonと妹Kamilaの夫James

45分ほどの短いギグが終わったらラストオーダー。こんなんで儲かるのだろうか、と心配しながら店を出る。NYならではのゲリラ的なライブで、きっとこういうのが各所で行われているに違いない。早く終るし気負わなくても行けるのでこういうのもいいもんだ。

コメント

Kamilaの夫Jamesは、James WalbourneといってKamilaとはDead Flamingoesというデュオで活動しているらしい。これなんか若いころのリチャード&リンダを彷彿、というのは思い込み?