評価:3/5点
そういえば最近は金曜日の晩のお出かけをしていないことに気がついて、Psari以来中断していたアストリアのギリシャ料理屋開拓を続けることにした。今回のターゲットはBroadway駅からすぐのBahari Estiatorioだ。
この店は入口脇に厨房があり、Broadwayに面したウインドウには魚が積み上げてあって前を通るたびに気になるという仕組みになっている。サーモンとカジキが美味そうではないか。
店に入ると間口は狭いが奥はけっこう広く、隣の店の裏側のスペースも使っているのでキャパはけっこうありそうだ。でも予約でだいぶ埋まっているらしいし、食べている間にもどんどん客が入ってきて満席になった。
初めての店なのでメニューを見ても無難な路線を選ばざるをえない。タコのグリル、レモンポテト、ディップの盛り合わせという王道に加え、せっかくここに来たのだから魚を食べよう、とPan-fried Herringを選んだ。
少ししたら注文を取った店員が皿にシシャモのような魚を載せて持ってきた。これは小ぶりだけど新鮮でうまいぞ、22ドルだけどいいか、と言う。ん?これHerring?と訊くとそうだという。まあいいや、と承認してハウスワインの白(ハーフカラフ)を飲みながら待つ間もなくディップが運ばれてきた。バスケットで出てきたパンはそのへんのイタリアンベーカリー(多分すぐそこのParisi)のバゲットだったので不満だったが、ちゃんと後から温かいピタも運ばれてきた。そう来なくっちゃ。
ディップは焼きナス、タラモサラダ、ニンニクポテト、キュウリヨーグルト、チーズの5種類。特にすごいということはないがどれもなかなかうまい。ニンニクポテトには干しダラでも入っているのだろうか、ちょっと魚っぽい味わいがあるのが珍しい。
タコのグリルはどこで食べても美味しいのだがここのもうまい。柔らかくて香ばしくてワインが進む。
レモンポテトもかなり良い。PsariやZenonと同じスタイルだがハーブが控えめなのが好ましい。
HerringはPan-friedということなのでフライパンで焼いてくるのかと思いきや、薄く衣をつけて揚げてある。これが実にカラリときれいに揚がっていてさすがプロの技だ。魚はしっとりとした白身で味が良い。
少し期待した通りサービスのデザートが出てきた。セモリナのケーキはスパイシーでインドのお菓子を思わせる。ギリシャからトルコ、ペルシャと南アジアまで続く大地に思いを馳せる。もう一方のGalaktobourekoもうまい。満腹になったので帰りにルクマデスでも買うか、という計画は断念した。
それにしてもアストリアのギリシャ料理屋は外れがない。初めての店でもまず安心のクオリティなのでいい意味でどこで食べても似たようなものだ。それでも店によって少しづつ違う特徴を楽しむのが正しいという気がする。次の開拓はStamatisあたりだろうか。