評価:3/5点
SNOBで洗練された南部料理を体験したので次なる課題は伝統的な家庭料理だ。ということで選んだのがHominy Grill。
場所はチャールストンの中心部から北西に行ったところ。無料シャトルバスで近くまで行き、あとは普通の住宅地をてくてくと歩く。今まではあまりにも綺麗な住宅街しか見ていないので、ああ、この街には普通の人も住んでるのか、とちょっと安心する。
Hominy Grillはそんな住宅街の中、おそらく近所の食堂という存在でやってきたのだろうが、どうやら近年は有名店になったようだ。平日の昼過ぎに着いたら待っている客が大勢いる。NYには雪が降っているほどの寒波だからやや肌寒いものの、風を避けて日向にいるとポカポカで快適だ。20分ほど日向ぼっこをしてから中の席に通された。
店内はいくつかのホールに区切られている、というか拡張を繰り返して隣の敷地にも進出して増築したのが明らかだ。
メニューはある程度予習していたが、本日のスペシャルが別途用意されている。そちらからスイートポテトのスープとシーフードのシチューを選び、通常メニューから子持ち蟹スープとDirty Biscuit。食後に歩けなくなるのは困るのでワインはlulunが一杯だけ。
付け出しに茹でピーナッツが出てくるはずなのだがなかなか運んでこない。だいぶ待ってから近くのテーブルに一斉に出てきたので茹でていたようだ。味はまさにピーナッツを塩ゆでしただけなのだが後を引く。
まずは是非ともトライしたかった子持ち蟹スープ。卵のためか濃厚で蟹がどっさり入っている。うまい。ちょっと塩が強いのは暑い土地だからか。
スイートポテトスープはハム入りでクレオールスパイスが効いてピリリと辛い。あまり甘みはないしスイートポテトの感じがあまりしないのがやや不満。
魚介類のシチューはビネガーの酸味で見た目と違ってかなりさっぱりしている。ダシが効いてエビもプリプリでこれも良い。ジャガイモとポーチドエッグが入っていると一気に家庭的な雰囲気になる。
ブライドチキン、ビスケット、クリームソース Nasty Buiscuit
Dirty Biscuitとはビスケットにフライドチキン、それにホワイトシチューを合わせた料理らしい。2切れついてくるチキンがどちらも胸肉なのが残念だが、さすが南部、フライドチキンは安定の美味さだ。ホワイトシチューの味も素朴にいいが、この組み合わせはやや味がぼやけるか。SNOBがこの料理をアレンジしたらどんなアクセントを持ってくるだろうか。
一通り食べてだいたいわかった。良くも悪くも素朴な家庭料理でもちろんSNOBとは全然違う。この土地の人たちにとってはきっとこれがおふくろの味なのだろう。ダウンホームなサウスカロライナ体験としてはいいが、それ以後はまあ好みの問題かな。