評価:4/5点
前回のサン・マルタンは5月だったので、北半球が夏休みのまっただ中となる7月下旬の賑わいには少々驚いた。この様子だと人気店はもしかして今晩予約で満席になっていたりしないだろうか。
アメリカではないのでOpen Tableみたいな便利なものはないし、電話は大嫌いなので開店時刻の6時に合わせてBistrot Caraïbesへと出かけた。開店が7時や8時ではないところが非フランス的で意外。
店に着くと先客は一組だけ。断られるか、と心配して中に入るとお好きな席にどうぞ、とあっさり通してもらえた。なーんだ。
窓際のテーブルを選び、メニューとにらめっこ。前菜は前回食べて美味しかったフォアグラとエスカルゴ、メインは前回イセエビだったので今度は違う魚を食べてみることにした。ワインはひとまず赤と白を一杯ずつ。
こういう普通のパンからして美味い。隣のテーブルからも「バターうまい」という声が聞こえてくる。ちなみに今日の客はほとんどがアメリカ人のようだ。すぐそこの家族連れにはイセエビが怖かったのか生きているものをこれから食べるということに動揺したのか、泣きべそをかいている女の子がいる。
Millefeuille de foie gras poêlé à la mangue et pistaches, jus réduit aux épices douces
前回唸らされたフォアグラは今回も美味い。だがマンゴーのペーストの酸味が強くてつけすぎるとバランスが悪くなる。それを別とすれば相変わらずの完成度。
エスカルゴとキノコのクリーム煮は前回感動しただけあってやはり美味。この濃厚さはクリームとバターだけなのだろうか。NYで手に入るつぶ貝みたいな巻き貝で真似してみるのもありかな。
Assitte du pécheur au coulis de langouste 'façon bouillabaise', ses croûtons et sa rouille
魚のブイヤベース風とでもいうのか、サフラン風味の魚介クリームスープにシーフードが4種類ぐらい入っている。だいたい見た目通りの味だ。付属するトーストとアイオリがまた美味でアイオリおかわりしたいぐらい。
もう一方の皿と被ってしまったが、こちらのレッドスナッパーもサフランクリーム風味。こちらはムールのダシだろうか。やはりレッドスナッパーの味がいい。
Marmite de vivanneau braisé aux petits légumes dans son jus de moules au safran
これまたサフラン風味のご飯が付属する。味はまあまあでちょっとサフラン効かせすぎのような気がする。
今回の旅の最後の晩餐だし、デザートまで行かねばなるまい。注文したのはMoelleux au chocolat chaud。
Moelleux au chocolat chaud, glace vanille et sauce chocolat
チョコレートのケーキに温かいチョコレートソースとバニラアイスを合わせていただく。このソースがまた美味い。選んで正解だった。
最後にはやっぱりジンジャーラム。前回は喉が痛くてこいつがありがたかったっけ。
メインディッシュの選択をやや誤ったが、やはりBistrot Caraïbesは優秀だ。カリブに行った帰りに立ち寄るというのを標準コースにしようか。