ソロのDavid Crosbyを観たのはもう二年も前だ。その後アルバムを二枚レコーディングしてツアーもしてるのだが、ちょうどNYにいない時期に重なってしまい生のクロスビーは観ていない。Snarky PuppyのMichael Leagueを従えたあのバンドは観たかった。
アコースティックなLighthouseとは違い、まだリリースされていないSky Trailsはリズム隊付きのフルバンドで中核はCPR(Crosby、Pevar & Raymond)。ドラムズはおなじみのStevie D、ベースに Mai Agan、それにLighthouseバンドにもいたMichelle Willis。
まだ新アルバムが出ていないのにツアーをするというのは日程が前後してしまったのか、理由はともかくツアーがあるということはわかった。だがなぜかBandsintownでもPollstarでも近くのギグが引っかからず、Bergen PACからの郵便物をlulunが見るまでNY近郊に来ると知らなかった。出遅れたので端の方の席をなんとかゲット。
Benniesで腹ごしらえをしてBergen PACに着いたのは8時前。前座を使わないクロスビーのギグに行くタイミングとしてはやや際どい。着席してしばらくしたら会場が暗くなった。
一曲目はIn My Dreamsだが、そこから先は知らない曲が続く。CPR(冗談でcardio pulomonary resuscitation、つまり心肺蘇生の略)時代の曲や新しい曲のようだ。She's Got to Be Somewhereも新しい曲でなんとホーンセクション付き。なんでも翌日TV出演するそうで、「緊張するから仲間を増やしたい」ということだそうだ。うーん、賑やかだけどCrozの良さが出る曲ではないような。
前回同様、頻繁にギターを持ち替えるがエレキを持ったらLong Time Gone。ここでひとまず休憩。既に一時間が経過している。前回もけっこう長かったが今回もサービスいい。
前半にやったCapitolもそうだが、What Are Their Namesも政治家批判の曲。「すべてはカネのため」と言い切るCrozにはいくらかブーイング、さらに喋ってると「音楽やれ」との野次も飛ぶ。「David Crosbyのショーに来て政治の話がないと思うなよ」「嫌なら聞くな」には会場から喝采。Town Hallと違って郊外の共和党地盤だからそっち系の客がいることは予想したがかなりの少数派のようだ。
バンドは予想通り高水準。特にギターのJeff Pevarの腕はたいしたもので、歌もジャクソン・ブラウンとビリー・ジョエルの中間ぐらい(変だけどそうなのだ)でCrozにはいい相棒だ。最後の曲はDeja Vuで、評判通りの素晴らしい出来だ。
アンコールにCowboy Movieをやって最後に「こんな分断された時代だから」とAmerica (My Country, 'Tis of Thee)で締める。自分の主張はきっちりするけど最後には誰もが納得できる幕引き。休憩が入ったとはいえ3時間近いショーだった。
CSNやC&N時代の曲、特にCarry MeやGuinnevereをやらなかったのは残念だがこれはこれで良しとしよう。Crozも元気だしもしかしたら少しお腹が凹んだかも。
バスでGWBに出るけど途中渋滞、地下鉄A線は各駅停車、N線は42nd止まりと、いつになく帰宅には手間取ったが乗っていれば着けるのだからまだいい。滅多に恩恵を受けないけどNYCの終夜運転はありがたい。
1時前に帰宅、そのまま就寝。遠かったけど行った甲斐があった。Sky Trails出たら買おう。