The End of Americaは最近のkameのお気に入りだ。2月にJalopy Theaterで観たがなんとIridiumに出るという。調べたら新人発掘ナイトみたいな企画で3グループが出演するようだ。ヘッドライナーではないとは思ったが。
観たいのはもちろんThe End of Americaだが、ついでに他の2グループもちらっと調べたら一方のCall Securityがかなり良さそう。もう一方の若い二人組も謎めいている。とにかく行くことにした。
月曜日の晩だしどうせほとんどの客は身内だろう、との読みで夕食を食べてから7時過ぎに現地着。窓口でチケットを買い、外の列に並ぼうとすると、あれれ、角を曲がってさらに先まで列が伸びている。途中隣の店の入口を横切るのでそこで待っている人に聞いてみる。「これが列？」「そう。最後尾はあっちだよ（と角の先を指差す）」変だなと思い「Iridiumの列？コンサート？」「いや、ここのダイナー」。つまりダイナーの入口手前がIridiumの列の最後尾だった。10人いるかどうか。どうやらここのダイナーは従業員が歌うショー付きらしく観光名所のようだ。そういうのが楽しい人もいるのだろう。
会場に入ると「予約席」という札が目立つ。多分身内なのだろう。案内されたのはステージ左の最前列。よく見えるけど真正面だと緊張するのでこれはほぼベストな席だ。
後方の席でThe End of Americaの3人がご飯を食べていた。知らないけどほかの出演者もそのへんにいるのだろうか。そういえばチケットを買う時に出演者らしき男が出番は9:15ぐらい、と言っていた。
チャージは一人$15でオーダーのノルマが一人$15なので出演者はノーギャラなのだろうか。会場で売るCDやTシャツの利益じゃ足が出るよなあ、でもお店にとっては堅い商売なのか、などとピッチャーのサングリアを飲みながら考える。
ステージの機材はEnd of Americaなので一番手はわかった。いつの間にか出演者が4組に増えている。いずれにせよCall Securityが出るまではいるつもりだが。
司会のおばちゃんがしばらく喋ってからThe End of America登場。お？なんか音がいいぞ。3人の声がクリアでよく鳴っている感じ。マイクから離れても迫力がある。このへんの音作りは生前のレスポールの肝いりなのだろうか。
時折鳥肌が立つほど美しい演奏だけど持ち時間は一組4曲と決まっているらしい。最後はもちろんEmpty Sea。やっぱりいい。
次はNatalie Fortezaという女性シンガー。ピアノを従えてジャズっぽい歌を4曲。沖縄民謡を歌わせたらどうだろう、という感じの声質だ。まあ普通。
若い男二人組のRies Brothersは本当に兄弟で21歳と18歳という若さで要するにガキだ。後ろのテーブルの応援団は家族らしい。しかし数年前から色々注目されているらしく、ステージでの立ち振舞も堂に入っている。兄がドラムスとキーボードでベースと歌を担当し、弟がギター、ウクレレ、キーボード、パーカッションを忙しく持ち換えるというか巡る。音楽的にはファンクっぽくて好みではないが実力は確か。レゲエが好きだという弟の曲の方がメロディアスでいいし、ギターも上手いので今後は弟のほうが伸びるのではないか。
最後は元気のいいロックバンド、という予想通りCall Security登場。トリオ＋ヴォーカルという編成で、入口付近にいたのはベースだったと判明。ヴォーカルが開始前にステージでストレッチしてるのがおかしい。
演奏が始まるとすごい迫力なのは目の前だからだろうか。真横で観ているせいかボーカルの動きは身体を変に捻ったりして大丈夫なのかとちょっと心配になる。メロディーはいいし、バックは地味だけどきちんとしていてよくまとまっている。大いに気に入った。
これも4曲だけとコンパクトであっという間に終了。どのバンドについても言えるが演奏が終わると実にテキパキと自分で機材を片付けるのも小気味いい。当日のビデオはKisweアプリで観られるのだがライブの迫力の1/10も伝わらないのが実に歯痒い。
予想以上の収穫に大満足。帰ってすぐにiTunesにあるCall Securityを全曲買った。4曲では物足りない。Call SecurityとThe End of Americaは近いうちにまた観たいものだ。