朝の遺跡巡りが終わったらチェックアウトしてIsla Mujeres行きのフェリーの切符を買う。往復きっぷはいつ帰ってもいいしどのルートに乗ってもいい割に片道より少し高いだけ。この価格設定はよくわからん。さっき朝食を食べたバーで今度はビールを飲みながらフェリーを待つ。
船内の一階はエアコンが効いているが二階は青空で断然二階が人気。風が気持ちいい。海から眺めて改めてカンクンとはすごいところ(で趣味じゃない)と認識。残りの二泊をカンクン沖の島にしたのは正解だった。
本土側で寄港したEl Embarcaderoでギターとアンプを持った男が乗ってきたので島に流しに行くのかと思ったけど、操舵室の前に陣取ってマイクのセットアップを始めた。エンジンと風の音がすごいけどギターを弾いて歌う。生演奏付きとは驚きだ。
それにしても海が青いのは透明度もあるだろうが浅いのだろうか。海底が砂なのか岩なのか草なのかがフェリーから見ててわかる。
20分ほどで島に到着。そのまま歩いてHotel Isleñoへ。幸い部屋が空いていたのでチェックインできた。一階で二方向に窓はあるけど目の前は壁。なにやら工事をしていて作業員が通るのでカーテンは締め切り。安い部屋なので文句はない。安宿だけど水は汲めるし朝はコーヒとクッキーが出るのは嬉しい。
少しお腹が空いたので市場でタマレスを買ってビーチで食べた。キメの細かいマサでできていて豆腐みたいな質感。これは初めてだ。中には鶏肉。市場は小さいけど午前中はそれなりに賑わいそうだ。食堂街もあり使える。
Playa del Norteは砂浜が狭く、ほぼデッキチェアに占領されているのでけっこう混雑している感じ。外国人だらけ。水と砂はきれい。
街はとっても観光地だけど小さな店が多く、我がホテルもほぼ家族経営のようだ。一昔前のクタってこんな感じだったのかな、と思ったらlulunがもっと呼び込みがうるさかったんじゃないかという。カンクンよりはこっちの方がずっと落ち着く。
Los Abuelosからの帰りにチュロスの詰め物屋に行こうと思ったらいるべきところに屋台がない。その代わりにMarquesita屋がいるではないか。バジャドリに着いた日から気になっていたけどこれまで食べる機会がなかった柔らかいゴーフルみたいなお菓子だ。
前の客がNutella + バナナを頼んでいたけど結果的に同じものを注文。Cajetaという気になるものもあったが容器に山羊の絵が描いてあるので危険と判断した。あとで調べたらその通り山羊のミルクで作ったdulce de lecheらしい。Marquesitaは極薄でパリッとしてかなり美味しい。気に入った。
賑わう夜の街を少し散歩して宿へ。
翌朝、lulunが朝食を探しに行ったけど近くのコーヒー屋はまだ開いてない。仕方なく近くの食堂で朝食。lulunはHuelvos Divorciados、つまり「離婚卵」という名前がおかしい。赤と緑のサルサ。
カプチーノを頼んだら牛乳が冷たい。まあいいや、と飲んでいたら店員が来て新入りが作り方わかってなくてごめんと謝る。知らなかったら客に出す前に教えてやってほしいがこのおおらかさは悪くない。
昨夜目星をつけておいたレンタサイクル屋がどうしても見つからない。目印のスクーターが外に出てなかったからなんだけど、まだ開いていなかったということだから仕方ない。ほかに目についた自転車屋で借りることにしたけどもうだいぶ出払っているみたいでカゴ付きチャリは数えるほどしか残ってない。コンディションが悪いが一応走って泊まれる。自転車を借りるのにIDがいる、と言われたけど持ってないので部屋の鍵を人質に差し出す。
幹線道路を南へ走る。車やゴルフカートが多くて不快だ。一本東寄りの道を選べばよかった、と思った頃には空港に差し掛かっていて東へ行く道がない。平坦なはずだけどそれなりにアップダウンがある。まずは亀牧場へ。
入場料30ペソ。建物の中に水槽があって小さなウミガメが泳いでいる。周囲の水槽には魚など。ただカメを眺めるだけの地味な施設。一応餌を買ってあがられるのだけどみんな満腹なのかあまり食べない。バルバドスで目撃したのはleatherbackだったけどここのは亀甲模様の甲羅。真っ白な個体もいてびっくり。でも海底が白ければこっちのほうが保護色になる、というlulunの意見はもっともだ。
外には大きな水槽がいくつかあって中にはもっと大きなカメが。海を囲ったプールにはさらに大きなカメが。客が餌をあげようとするけどことごとくカモメに奪われる。カメはのろいからなあ。
潮に乗って流れてきたビニール袋をカメがパク。食べちゃわないといいけど。
島を東に横切って岬へ。大西洋側は風が強くて波が荒いけどカリブ諸島ほどではない。このあたりはビラが立ち並んでる。岬に着いた頃には雲が多くて雨がポツポツ。
ここも観光地で駐車場にはおびただしい数のゴルフカート。手前に土産物屋とレストランがあるけどその先は入場料30ペソ。なんともいえない彫刻の森を過ぎると小さな遺跡がある。神殿の跡らしい。
回りの海がすばらしく青い。天気が悪くてこれだ。波が荒くてlulunは胸騒ぎがするとのこと。
崖の下に下りる階段があって少しだけ遊歩道がある。むせるような蜂蜜の香りがすると思ったら多肉の白い花だった。こんなに風が強いのにすごく香る。虫があまり来ていないのは風のせいか。
神殿に祀ってあったのはIxchelという女神らしい。
岬を回って西側の道を北上する。立派そうなビーチクラブを通過して隣りにあるはずの安いビーチクラブを目指すが、それらしきものがないうちにお昼候補にしていたホテルを発見。急坂を降りてホテルの中庭を通ってビーチのすぐ上のレストランへ。ビーチでくつろいでいる客が数組。
選んだのはgrouperの地中海風。オリーブがたっぷりでリゾットを敷いてあるのが確かにイタリアン。魚おいしい。メキシコ料理以外のものを食べたのは何日ぶりか。
フィッシュタコスの魚はグリルしてあってこれもいい。ワカモレはどこで食べてもうまい。
往路に通りそこねた東寄りの道を北上する。こちらはずっとローカルな街中で楽しい。自転車を返してホテルに荷物を置き、ビーチに行こうと思ったらなんと自転車屋が昼休みでいない。部屋のカギがないのは困るので自転車を駐めて少し時間潰しに散歩。
西側のビーチにはちょっとだけ漁船がいて漁師が魚を売っているようだった。こんな捕れたてが出てくるんだからスナッパーやグルーパーが美味いはずだ。
一周りして自転車屋に戻ったら借りたい客が来ていて自転車屋がカギを無理矢理開けようとしているところだった。自分の自転車を盗もうとしているのだからおかしい。ちゃんとカギを開けてあげてホテルのカギも返してもらって、自転車屋もほかの客も我々もハッピーでめでたしめでたし。
Playa Norteと違って西側のビーチは砂浜が広くてそのへんに寝転がっている人がけっこういる。ツーリストやローカルの家族が遊んでいるのを眺める。水はけっこう冷たい。lulunはしばしお昼寝。
徐々に雲行きが怪しくなってlulunが目を覚ました時には向こう岸のカンクンが見えなくなっていた。これは来るな、と撤収。宿に着く直前にポツポツ雨が降り出した。
シャワーを浴びてしばらく休息している間に雨の音が聞こえる。この旅初めての本格的雨。 そろそろ夕食に行くか、とカーテンを開けて外を見ると青空が覗いている。外に出るとホテルの前の道路は川。このへんの水はけの悪さは途上国的。
海辺に出てみると黒い雲と荒波がドラマチック。街の様子から察するに雨は止んだばかりの模様。雨宿りしていた人たちがようやく動き出したところみたい。
La Lomitaで夕食、小雨の降る中、水たまりを避けながら帰る。アイス屋に寄ってみる。ここもワッフルコーンだけどできたてではない。ピスタチオおいしい。
最終日の朝、ごはんを探しに市場へ。ジュース屋でオルチャータをゲット。
果物屋にミックスカットフルーツがあったの観光地らしいところだ。コーヒーとバナナケーキと持ってビーチへ。
風が気持ちいい。散歩したり走っている人たくさん。すぐそこのビーチで女性ばかりのグループがいる。海に向かって踊ってるみたい、と思ったらヨガみたい。ちょっと不思議な光景。
今日は午後まで西のビーチでのんびりする予定だ。昨日偵察しておいたビーチクラブ、Caribbean Queenを目指す。昨日声かけてきた女性スタッフが今日もいる。にっこり笑って近づいたら嬉しそう。昨日「明日来るね」と言っておいたけど本当に来ると思っていたかどうか。
適当な椅子を占拠。風が強いけど気持ちいい。水冷たくて波がある。海流もあって北方向に流される。このへんは遠浅でロープまで足が立つ。
お昼はテーブル席に移動してまたまたシーフード。魚のグリルとミックスセビーチェ。セビーチェはランビとタコ入りというのが嬉しい。いずれも下手なレストランより美味。こんな海の家なのになかなかやる。
午後もまったり。lulunはカクテル。
3時に撤収してシャワー、着替え、宿で荷物を拾ってフェリー乗り場へ。
土曜日だからかどんどん人が到着してる。Puerto Juarez行きは地元民が利用する路線なので安い。当然ボロい船かと思ったら高速船だった。今回もエンタメ付きだがギターの男がヘタで閉口する。
タクシーでバスターミナルへ。