夏の楽しみの一つに火曜日の夕方にあるCity Winery裏のフリーコンサートがある。Holmes BrothersとWood Brothersを観たのがここだが、このところPoundcake以外やや不作が続いている感がある。
The End of America
The End of America
ある日City Wineryからメールが来て、来週はEilen Jewellという人が出るという。「Queen of minor key」という触れ込みのソングライターでどんな音楽なのかわからないがちょっと気になった。前座のThe End of America(良いバンド名だ)は「CSN的ハーモニー」が売りのようなのでこれも良さそう。Eilen Jewellは図書館にCDがあったのでとりあえず借りてみたら暗いカントリーという感じで悪くない。とにかく行ってみることにした。
The End of America
The End of America
5時開場、5時半開演なのでさすがに仕事の後に急いで行っても間に合わない。会場に着いたのは6時過ぎ、もうThe End of Americaのセットは終わってステージのセッティングが行われているところだった。残念。
会場を見回してビール売り場に並んでいるlulunを発見。lulunも少し前に来たばかりだったのでThe End of Americaはあまり観られなかったが、最後にマイクなしで歌ったのがなかなか良かったらしい。ステージで黒服のローディーらしき男たちがセッティングをしているのを夕日を浴びつつHoegaardenを飲みながら眺めて待つことしばし。
Eilen Jewell Band
Eilen Jewell Band
気がついたら演奏が始まった。黒服の男たちがドラムス、ウッドベースとギターを担当している。ローディーじゃなかったのか。アップテンポのインストを一曲やって、その終わりの方で同じく黒服のEilen Jewell登場。
Eilen Jewell Band
Eilen Jewell Band
最初の曲は予習していたCDに入っていたQueen of the Minor Key。なるほどこれがテーマソングなのか。バリバリのカントリーナンバー。
Eilen Jewellは小柄でほっそりしているが歌声はけっこうパワフルだ。曲によってはジャズっぽい歌い方で、バックがなければジャズシンガーかと思うほど。このへんがそこらのカントリーバンドとは違いそうだ。暗い印象とは裏腹にお喋りもけっこうしてわりとサービスも良い。メジャーキーの曲もやるし。
Eilen Jewell Band
ベースの男
Eilen Jewell Band
ギターの男
バックも堅実で特にベースが良い。スラップベースでサウンドの要となっているし、カウントを出すのもこの男なのでバンマス的存在なのかもしれない。控えめに楽しそうなのもベーシストらしくて良い。Sugar Blueの奥さんを思い出す。
Eilen Jewell
Eilen Jewell
Eilen Jewellはアイダホ州出身だが高校生ぐらいの時にニューメキシコに移ったそうで、音楽的に目覚めたのはそのサンタフェ時代らしい。そのサンタフェを歌った美しいSanta Feをやってくれたのは嬉しかった。この曲はメジャーキーだが。
Eilenの喋りは歌とは違って淡々としているが妙にユーモラスでなかなか変なやつだ。時間が経つとともに観客の反応が良くなる(単に人数が増えたりビールが回ったりしているのかもしれないが)のに気を良くしているのが好ましい。
Eilen Jewell
Eilen Jewellとドラムスの男
カントリーやロックンロール、たまにちょっとブルージーな曲も混ぜて1時間ほどでステージは終了。翌日にはPiermontでギグがある、と言っていたので東北部をツアーしているのだろうか。
たまにはこういうのも悪くない。Eilenの歌には確かな魅力があるし、バンドの腕も堅実だ。City Winery裏の残りの日程をもう少し真面目にチェックするか。