夏のNYで気に入っているイベントにイタリアンのお祭り、Giglioがある。一番のお気に入りはブルックリンのEast Williamburgだが、ブロンクスのBelmontでもあるし、マンハッタンはEast Harlemだ。元々ナポリあたり出身のイタリア人が多い街で行われるらしい。
ハイライトは日曜日の昼過ぎなので真夏の炎天下に出かけていくのは少々辛いのだが、今年は例年になく涼しいので自転車に乗ってEast HarlemのGiglioに行くことにした。
公式サイトの情報だとGiglioという塔の形をした神輿が登場するのは午後1時だが、lulunが仕入れてきた情報では1時半となっている。屋台でお昼を食べたいので少し早く着くように出かけた。
場所はE 115th StとPleasant Aveが交差するあたり。着いてみると思ったよりこじんまりとしていて屋台も数軒しか出ていない。子供向けの遊具はそれなりにいてみんな楽しそう。
お昼になりそうなのはソーセージなどの焼き物屋台とピザ屋だけなのでピザを選択。
なかなかの人気でせっせと焼いている。忙しいのでオーダーはプレーンかペペロニだけ。
すぐそこの公園はBBQに来ている家族連れで賑わっている。空いているベンチを見つけて箱を開ける。
生地は適度にふっくらとムニムニしてトマトソースもなかなかいい。さすがイタリア人街に来る移動ピザ屋。スタテン島から来ているらしい。そうだろうな、スタテン島の名もないイタリア料理屋がすごく美味しくても驚かない。そういえばスタテン島にはGiglioはないのだろうか、と調べたが見当たらない。秋祭りはあるようだが。
後で見たらなにやらモッツァレラもその場で作って売っているようだ。
1時半を過ぎたので会場に戻るがまだ始まりそうにない。一軒しかない揚げ菓子屋台でzeppoleを食べるとこれも美味い。まだ油が新しいからだろうか。
イタリア人街なので消火栓もイタリア色にペイントしてある。それは珍しくないけど蛇口が取り付けてあってそのへんの屋台の人が手を洗いに来る。そういう使い方をするのか。
近くの交差点に壁画があるな、と見に行くと明らかにトランプ時代になってから描かれたもの。オバマの言葉を引用してある。
待機しているGiglioを見に行くとブルックリンのとはだいぶ趣向が違うのが面白い。
子供用の小さなGiglioも置いてある。そういえば日本にも子供神輿というのがあるな。
教会ではまだ礼拝が行われているようで2時を回っても始まる気配がない。だいぶ待ってから教会から聖人の像を出てきた。服装は質素を旨とするフランシスコ会的なのだが、現金をぶら下げているところが不思議なミスマッチ。
教会前を出発した聖人像が交差点まで来ると盛大に爆竹が鳴る。
直後の交差点はまるで戦場。どさくさに紛れて銃を乱射されてもわからない。
聖人像は頭の前まで行ってから引き返していく。教会に戻るようだ。
楽団も神輿に乗ったしようやくスタートかな、と思ったら主催者のスピーチ、お祈り、国歌斉唱と色々とセレモニーがある。East Williamsburgでは見ない光景だけど、いつも海賊船の方に行っているからかな。ついに動くか、と思ったらマイクを持った男が出発前に一曲歌う、と言ってその場で一曲。いい声なんだけどマイクの使い方を少し勉強してほしい。
神輿の担ぎ手にはけっこうな年配者もいて怪我しないかちょっと心配になる。
塔の上にはビデオ係が。怖くないだろうか。
やっと神輿が動いたと思ったら驚いたことにそのままどんどん進んでいく。East WilliamsburgのGiglioだと数秒歩いたら下ろすのだけど、こちらは持ったまま数分歩き続ける。すごいぞ。
とはいっても動いたのは50m足らずだろうか。一度タッチ&ゴーをしてからしばし休憩。どうやら担いでいる棒が一本折れたようだ。そんなに重いのか。
しばらく休憩して再度出発。なんと今度は教会の前まで一気に行くそうだ。いつの間にか旗振り役のおばちゃんが乗っているのだけど遅刻してきたのだろうか。
ついに教会前に到着。途中木をかすめたりして少しハラハラしたぞ。
このあともイベントが続くのかもしれないがさすがに暑いので退散。やや規模は小さいけどハーレムのGiglioを体験できて幸せだ。
帰りにBehemian Hallに寄って一杯。この夏二度目だが昼間でも外で飲んでもいいぐらい涼しいということだ。
Talking Headsトリビュートバンドの演奏に踊る人々
ステージにダンディな爺さんが率いるバンドが現れたのでボウイさんか?と思ったけどTalking Headsだと言っている客がいたので同じデイヴィッドだけどバーンさんのようだ。ステージ前では子どもたちが飛び跳ねていたがスローな曲では爺さん婆さんが踊る。いいところだなあ。
地味なNYCの良さを満喫した日曜日。いい日だった。