前編のドミニカの食物と同じようにマルティニークで出会った食物のまとめ。別ブログですでに書いたものは(ほぼ)除く。
ドミニカからマルティニークはフェリーで2時間という近さに反して、あまりにも暮らしが違う。ドミニカは楽園、マルティニークは文明社会。食文化も距離の近さからは想像できない隔たりがある。国というものは地図に書かれた線だけではない力を持っているのを見せつけられた。
宿泊した Anse à l’Ane のスーパーは、まさにフランスといった品揃え。昔フランスのスーパーで見慣れていた品々だ。さらに、閉店一時間前の店に焼きたてのバゲットがあるなんて誰が想像しようか。後日昼間に行った時は、パン・トラディショナルなどパンの種類も豊富になっていた。ただし、スーパーのバゲットは鮮度が落ちるとともに味も急降下。暑いところだから仕方がないのかもしれない。バゲットはやはり毎日買うものなのだろう。
手始めは、朝食用のバゲットとスイカ、仏製笑う牛さんチーズとともにビールも購入。スイカも部屋に置いてくれてあったバナナも残念ながら期待したような味ではなかった。そこまでフランス的にならなくてもと思ってしまう。
スーパーの規模の割りに充実したワインの品揃えはさすがだ。それも2〜5ユーロぐらいのものがずらっと並んでいる。簡単料理の献立で悩んだ挙句(手作り感満載のコロンボというカレーペーストの仲間のようなものがあったので気になったが、肉が小口売りされておらず断念)、バゲットとワインとともにチーズとパテ、野菜をいただくというメニューにした。
昼食を外でしっかりと食べて、夜は宿でチーズやパテなどをつまみに軽くというパターンは我々の行動スタイルに合っていてよかった。
首都の Fort-de-France に出かけたときの楽しみの一つが市場。地元の野菜や果物が並んでいて嬉しくなる。パイナップル、アボカド、シュガーアップルなどを朝食&おやつ用に購入。
シュガーアップルが甘くて美味しい。買ってよかった。
パイナップルはふつうに美味しい。
ちょっと紫がかったようなアボカドの色が不思議。アボカドにも種類があるからNYには輸入で入ってこないタイプなのかもしれない。しっかり熟れていて嬉しい。
持ち帰り用として、サフラン粉とバニラビーンズ。バニラの香が最高。新鮮なものはこんなに香るのだと驚くほど。サフラン粉は、マルティニークでは魚のスープに使うようだ。
フランスの食文化がしっかりと根づいており、街なかには何軒もパン屋がある。人が並んでいる店の前を通ると気になるが、購入したのは kame が白羽の矢を立てた La Grange à Pain へ。目の前のバス停でバスを降りた人がどんどん吸い込まれていく。なるほど人気店のようだ。
なかに入ると美味しそうなパンがずらっと並んでいる。その中でも一番輝いていたパン・ポルカを買ってみると、果たして、スーパーのものよりも格上の美味しさだった。
パン・ポルカ、うまい。パン・ポルカは我が家にあるフランス語のパンの本にもでているのだが、食べながらこれはポーリッシュ法で作ったパンだと気がついた。なぜふたりとも今まで思い当たらなかったのだろう。
街にはサトウキビジュースのお店やスタンドがちらほら。水分補給に飲むとライムスライスが入っていてさっぱり感も加わっておいしい。
マルティニークでお気に入りになったものの一つが塩鱈のフリット、アクラ。何度も食べたし、宿のオーナーさんとの会食の際にでてきたアクラも美味しかった。店によって少しずつ雰囲気が違って、たかがフリット、されどフリットだ。
サンドイッチをテイクアウトする際にも、塩鱈を選択。ベトナムにバインミーがあるように、この地では塩鱈バゲットサンドがあるのか。
アクラとともに気に入ったのが、ランビス(lambis)という貝を食べたのが収穫の一つ。ランビスは、英語では spider conchs、日本語では蜘蛛貝(クモガイ)と呼ばれる巻き貝で、身が大きく食べごたえがある。
カリブと言えば、ラム。マルティニークのラムはサトウキビの搾りかすではなく全部を使うフランス式の独特の製法で作っている。ラム工場見学に行く余裕もなかったので、ラムを使ったカクテルを飲んだところ少々クセ(というかコクというか)が気になった。スーパーで並んでいるのを見てもどれを買ったものか分からないしどうしたものかと悩んでいた。そんな折、オーナーさんところで、飲ませていただいた Clement のラムがおいしかったので、空港で同じ銘柄を購入。最近、我が家の酒棚は泡盛のコレクションに加えてラムのコレクションまで充実しだしている。ホワイトラムを使って作るココ・パンチも我が家バージョンを作ってみたい。
GuadeloupeのビールCorsaire(左)とMartiniqueのビールLorraine(右)
マルティニークで飲んだビールは、可もなく不可もなく。フランスのビールはまずいという先入観をもっているけれど、暑いところではビールは美味しいからだろうか。