評価:4/5点
サン・マルタン最後の夕食はどうしよう、と少々悩んだ。普通のフランス料理はAuberge GourmandeとBistrot Caraïbesでしっかり堪能したし、地元のlolo料理もRib ShackとSky is the Limitでだいたい分かった。
それじゃあクレオール料理だけどフレンチの影響を受けてちょっと洗練された感じの店はないか、と調べたらVilla Royaleがぴったりではないか。村に行くときに何度も前を通った店だ。
黄昏時の村を一往復散歩して店の前に到着。エアコンの効いた店内には客が一組いるようだが、通りに面した席には誰もいない。こっちに座るよ、と中の店員に合図して待つ。
メニューはどちらかと言えばクレオールの影響を受けたフレンチという感じ。本日のスペシャルにスズキのグリルがあって、店員がとってもおいしいわよ、と言うのでそいつを選んだ。もう一品はCassolette de mer。ワインはボルドーの白を一杯。
Cassolette de merは魚介類と野菜をグリルして甲殻類のダシを効かせたクリームソースでさっと煮てある。文字列だけで十分うまそうだが、食べると予想に違わずうまい。エビが2尾なのがちょっと寂しいが、魚3種類と野菜入り。この際だからタコとかホタテも入れば豪華なのに、と思ったがこのへんで穫れないなら仕方ない。濃厚なクリームとダシの割にさっぱり感があるのはライムを絞ってあるからだろうか。
Casolette de mer シーフードのグリルのクリーム煮
さらに付け合せのカリブ風フライドポテトがニンニクたっぷりでとても良い。にんにくパウダーでもかけているのか、というぐらい強力。
スペシャルのスズキのグリルは店員の言う通りジューシーでとても味がいい。素材の勝利もあるがニンニクの効いた緑色のソースが絶妙。めっちゃうまい。真っ黒なご飯も美味。
バナナをラムでフランベしたデザートが気になったが、メインコースだけで十分満腹になったので見送ることにした。
そうこうしているうちにけっこう客が入ってきて、二人しかいないホールは大忙し。ワインを注文したのに持ってくるのを忘れてたり、勘定なんか3回も頼むハメになったのが減点対象。フランス料理屋で食べている分にはパリに居るとの変わらないので、この良くも悪くもカリブ的な体験ができたのは良かったのかもしれない。
Grand Caseにある店は80%ぐらいが正統派フレンチなので、こういう店はありそうでない。機会があったらまた来たいと思わせる貴重な存在だ。