北海道:15日目

7月14日(土)小樽

7時に起きてオンディーヌで買ったちょっと甘いクロワッサンと夕張メロンを食べ、台風の進路に神経を配りながら荷造りをする。電話で訊いてみるとよほど問い合わせが多いのか、ねーちゃんがぶっきらぼうに予定通りに運行するという。欠航時の代替輸送手段をあれこれ考えていたのに、ちょっと拍子抜けだ。揺れる不安はあるがとりあえず帰れそうなので一安心。

重い荷物はフロントから送り、両手で持てるぐらいの荷物をホテルに預けて散歩に出かける。今日は山側を攻めるので急坂を登り、小樽駅裏の住宅地をぶらぶら。よくこんなところに住んでるな、というようなところに家が建ち並んでいる。雪が積もったらどうするのだろう。

小樽で道ばたに咲いていた花道ばたに咲いていた花
小樽で道ばたに咲いていた花道ばたに咲いていた花

小樽の街は立派な古い建物が多く残っているので見応えがあるが、それ以外の普通の町並みはとらえどころがない。山の手には見所がないが、小樽公園のところにある公会堂は立派だ。小樽公園で一休みし、10時のおやつのために運河の方へ戻ることにし、北菓楼へ。

さすがに週末ということもあり、前日と較べて観光客が多い。中国の団体が試食のチョコレートを一列になって次々と食べていったりして、思わずガイドも苦笑。さすが中国人だ。

観光エリアからはさっさと撤退し、水天宮の丘に登る。これまたすごい急坂だ。丘の上は眺めが良く、日差しは強いが風が冷たい。昼食の目的地、みよ福に何となく向ってぶらぶらと歩き続ける。途中旧手宮線公園で休憩。

旧手宮線公園旧手宮線公園

手宮線が廃止になったのは1985年だが、市内の遺構はかなり良く保存されている。草ぼうぼうになりながら放置されている区画があるのも北海道らしいおおらかさが感じられて良い。

小樽の旧手宮線公園に咲いていた花旧手宮線公園に咲いていた花
旧手宮線公園に咲いていた花旧手宮線公園に咲いていた花

みよ福でお昼を食べて満足した後、商店街に戻ると市が立っている。近郊の農家が本当に少しずつ作物を持ってきて売っている。ちょうどサクランボの時期なので各種出ているが、ちょっと固めで酸味もあるという水門を余市の農家から購入。

水門水門

午後は本日のメインイベント、新規オープン当日の小樽市総合博物館へ。前日発見していた手宮口から敢えて入場。運河館との共通券があるというのでそれを購入。まだ慣れていないスタッフが懸命に対応してくれるのが初々しい。

小樽市総合博物館 手宮口小樽市総合博物館 手宮口

入るとすぐ右手に転車台、正面にはホームがあり車両がたくさん置いてある。

小樽市総合博物館のSLSL

場内を「アイアンホース」が運行しており大人気だ。乗れるのはもちろん、転車台で回転させるところも見られて楽しい。追加料金を取らないところも好ましい。

小樽市総合博物館のアイアンホースアイアンホース
アイアンホース用「手宮駅」アイアンホース用「手宮駅」
小樽市総合博物館のアイアンホースアイアンホース

ホームにはlulunやkameがその昔乗ったことがあるような車両も数多く展示されていて懐かしい。急行利尻などはkameが初めて北海道を訪れた時に乗った車両かもしれない。

小樽市総合博物館のホームホーム
急行利尻の車内急行利尻の車内

お座敷列車などもあってさすがにこれは乗ったことはない。

小樽市総合博物館のお座敷列車お座敷列車

車両に関しては非常に充実した展示で鉄ちゃんなら泣いて喜びそうだ。電気機関車の内部なども見られるようになっている。実際の編成に近い形で見せてくれるのも嬉しい。丹念に見ていくと、lulunとkameの同世代の車両たちがこうして引退して博物館に並んでいるのはなんとも複雑な気分だ。まあ人間の耐用年数も似たようなものか。

館内の展示もなかなか意欲的で、特に模型は凝っている。鉄道の敷設作業をしている人形の顔も一人ずつ変えてあるという凝りようだ。ボタンを押すと解説が聞こえる仕掛けなのだが、ボランティアのおっちゃんがそれを遮って説明してくれる。親切なのはありがたいし初日で張り切っているのだろうが、もうちょっと客の都合を考えてほしいものだ。アメリカから来た鉄道技師たちが最も恐れたのは熊でもオオカミでもなく、蚊やブヨだったというのには大いに納得。

一回りした後はすぐ前にある手宮洞窟保存館へ。狭い館内は暗くてじめじめしている。手前にこれまたボタンを押すと解説が流れるコーナーがあるのだが、先に入った客を案内しているボランティアの声が大きすぎて全く聞こえない。たまらず「ちょっと静かにしてもらえませんか」と一喝したら小声になったが、結局ほとんど聞こえなかった。最低。

旧日本郵船前の運河公園でしばらく休憩して、小樽市総合博物館の運河館、つまり昨日までの小樽市博物館へ。こちらの展示は小樽エリアの歴史や自然が主だ。ボタンを押すと各種の鳥の鳴き声を聞ける展示があり、ここでずっと気になっていた「ポポポポ」の主が夜鷹であることがわかった。17時の閉館までみっちり滞在。

長い一日だったのでさすがに疲れて、山中牧場のソフトクリーム経由で小樽バイン、そして小樽ビールへ。ホテルで自転車と荷物を回収してフェリー乗り場へ向った。

解体した自転車と荷物を担いでフェリーに乗りに行くのだが、ターミナルから船までの距離が以上に長い。これを歩いたら死ぬな、と思っていたが幸い動く歩道があった。行きとほぼ同じ部屋に入り、残りの夕張メロンを食べて就寝。